サッカー未経験者も知ってほしい! 戦術分析ブロガーが語る「もっと楽しくサッカーを見る方法」

2019年08月19日

戦術/スキル

とはいえ、サッカーってむずかしい…

――理想はお母さんもお父さんもサッカーのプレーを経験したことがない方々でも『試合を見れる』ようになることだと思うのですが、サッカーの試合を見られるようになるには、チームの戦い方やフォーメーション、戦術的なことを理解する必要があります。そうなると、見なければならないポイントが多くなりすぎて、一気にハードルがあがってしまうのかな、と感じています。そういった少しむずしいことを理解するために、まずはらいかーるとさんがサッカーというスポーツをどう捉えているか教えていただけますか?

 僕は『時間とスペースの奪い合い』のスポーツだと考えています。

――時間とスペースを奪い合うためのスポーツ。そのために戦術が必要ということですか?

 そうです。

――ということは、サッカーに戦術は絶対必要ということなのでしょうか?

 いや、僕は『戦術のない強さ』もあると思っていて、どちらも必要なのかなと思っています。

――具体的に戦術がないとは。 

 すごく雑に説明すると、各エリアで1対1が行われている状態。選手が独力で、1対1の状況をどうにかする、というのは非常に重要です。

 例えば、しっかりとボールをつなぐチームは、自分たちの配置やボールの動かし方によってある程度の時間とスペースを掌握できる。それをみんなわかってプレーしている。

 しかし、そういうチームの子どもたちが『オールコートマンツーマン』をしてくるような相手に対して、何か解決策を持っているのかというと、持っていないことが多い。

 それを踏まえると、同じシステム同士でマンマークをしてくる相手に対して、目の前の相手をどう倒すか、という解決策を持っているのかどうかは、サッカーというスポーツにおいてはすごく大事だと考えています。

 だから、そのバランスがすごく大事なんです。自分たちの用意している形は「こうすればできる、こうすればプレーがしやすい」ということがわかることも大切ですが、同時に何も用意していないなかでも戦えないと、自分たちの作戦がうまくいかなかったときに一瞬で終わってしまう。だとすると、サッカーというスポーツで勝つためには、戦術だけでは足りないんじゃないかなと考えています。

――スーパースターのような選手は指導者が作ろうと思って作れるものではないということでしょうか。

 どの年代でも『戦術がないことも大事だ』とは言えませんが、自分の仕事量とか負荷が大きければ大きいほどサッカー選手はうまくなると思っていて。例えば、スーパースターみたいな選手が一人だけいて、その選手が攻撃も守備も全部やって点まで取ってしまう。そんな状況を4年生の頃から小学校を卒業するまでやっていれば、その選手はすごい選手になる可能性があります。

 一方、トレセンのような選抜チームのサッカーは戦術的なことはほとんどやっていないという認識です。選抜された選手こそ、戦術的なことを学ぶ環境があれば『スーパースターが生まれるのに…』という状況もあります。おそらく、『戦術のあるチーム』『戦術のないチーム』どちらかだけではダメで、両方ある程度経験しているのが、育成の理想なんだと思います。

――なるほど。改めてサッカーにおける戦術について教えてもらっても良いでしょうか。

 僕らはよく『サッカーのルール』と言っています。競技規則とは別に、サッカーというゲームを戦う上での方法論みたいなものが戦術なのかな、と。

――サッカーをプレーするうえでも、見るうえでも、チームのコンセプトやルール(戦術)を知っておいたほうが良いということでしょうか。

 はい。

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