補欠問題、団子サッカー、8人制サッカー、ドリブルスクール…etc。ジュニアサッカー特有の現象はなぜ起こる?
2019年08月26日
育成/環境戦術分析ブロガーであり、ジュニア年代のサッカー指導者であるらいかーるとさんへのインタビュー企画第2弾。今回は、ジュニアサッカーの現場でよく見かける現象について質問をぶつけてみました。
前回【サッカー未経験者も知ってほしい! 戦術分析ブロガーが語る「もっと楽しくサッカーを見る方法」】
取材・文●高橋大地、写真●佐藤博之、Getty Images、ジュニサカ編集部
保護者と指導者のミスマッチをなくす
――今回は、ジュニア年代のサッカーについて素朴な疑問をぶつけたいと思います。らいかーるとさんから見て「プロの試合ではあまり見ないけど、日本のジュニア年代ではよく見るな」という現象ってありますか?
小学生だから仕方ないのかもしれませんが“何かに特化したチーム”が増えてきたなと感じています。
例えば、「僕たちはボールを持ちます」「私たちは前からプレスをかけます」。そのあたりの完成度は、ここ数年で非常に高くなっていると思います。でも、問題なのは『特化した以外の部分はちょっと練習していません』みたいなチームが多いことだと思います。
いわゆる町クラブはセレクションチーム(Jリーグの育成組織など)に勝つためにやるべきこととすごく向き合っていて、形の決められたプレッシングで追い込んだり、相手の弱い部分を狙い撃ちにしたりと、真摯に取り組んでいると感じています。それはそれで良いことなのですが、目の前の選手たちをどう成長させるか、サッカー選手として幅を持たせるといった観点では、物足りなさを感じさせられます。
――負けられない試合が多いことがそのことにつながってくるのでしょうか。
リーグ戦の導入も、負けられない状況のチームにとっては、常にトーナメントのような緊張感があります。だから、スタメン組しか出場できない現象に繋がっています。
――補欠問題ですね。
一方で、将来プロを目指すような子が集まるチームにも、実力に見合わない子がいたりしますよね。例えば、入る前に「入っても(レベル的に)きついかもしれません」と、断っているにも関わらず、それでもチームに入部した選手をレベルの高い試合で起用できるのか、ということも現実問題あります。
やはり、理想的なのは、その子にとって“今ちょうどいいレベル”のチームで、試合に出場することです。そこは、前回もお話したように、保護者の方々の“目”にかかってきます。
クラブ側、特にジュニアのチームは『自分たちがどういうチームなのか』をもっとアピールするべきなのかもしれません。「我々は競争の激しいチームです」「我々は出場機会を確保し、育てることに注力します」というように。どのようなチームなのかというアナウンスメントはあるようで、現状はない状況です。入ってから「思ってたのと違う…」といったことが多々あるので。そのミスマッチをなくすために、自分たち指導者が自チームの目指している環境を外に向かって表現できればいいのですが。
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