青森山田高校が3年ぶり2回目のプレミアリーグファイナル制覇!
2019年12月16日
ジュニアサッカーニュース取材・文●塚原淳生 写真●ジュニサカ編集部
高体連VSJユースチームの対戦
15日(日)、埼玉スタジアム2002にて『高円宮杯 JFA U-18サッカープレミアリーグ2019ファイナル』が行われ、プレミアリーグEAST王者・青森山田高校(以下、青森山田)がプレミアリーグWEST王者・名古屋グランパスU-18(以下、名古屋)を3ー2で下し、3年ぶり2回目の優勝を果たした。
高校年代「真の日本一」を決めるプレミアリーグファイナルは3年ぶりに高体連のチームとJユースチームの対戦となった。青森山田はエースの10番・武田英寿(浦和レッズ内定)をはじめとする、高体連でも屈指のタレント軍団で、プレミアEASTを制し3年ぶりのファイナル進出。対する名古屋は今年度すでに日本クラブユース選手権、Jユースカップを制している。同大会を制すれば、いまだにどのチームも成し遂げたことないユース年代において「3冠」達成となる。
先制したのは青森山田。前半12分、ロングスローからチャンスを作ると、混戦の中から9番・田中翔太が押し込み、青森山田が先制に成功。すると前半27分には、クロスボールを受けた11番・後藤健太が、ワントラップして右足を豪快に振り抜き、2得点目を奪った。3冠達成に向けて、負けられない名古屋も反撃に出る。前半41分、8番・榊原杏太のパスを受けた11番・村上千歩が、左足を振り抜き、1点を返す。両チームがストロングポイントを出し合った前半は青森山田の1点リードで、折り返した。後半に入ると、名古屋が主導権を握る。後半14分に10番・田邊光平が、ゴール前に鋭いグラウンダーのクロスをあげると、11番・村上千歩がこの日2得点目となるゴールを決め、後半序盤で試合を振り出しに戻した。
しかし、同点に追いつかれて慌てなかったのが、青森山田。黒田剛監督がハーフタイムに「2ー2になる可能性もある。それでも平常心を保ちながら、3点目を取りに行こう」と伝えていたように、選手たちは追いつかれても決して戸惑いを見せなかった。すると、失点のわずか3分後、名古屋のクリアボールに1年生の7番・松木玖生が反応。利き足の左足に持ち替え、ゴール左隅にシュートを放ち、青森山田が勝ち越しに成功した。実は、前半に決定機を大きく外してしまった松木、そのときは「やってしまった」と自分を責めたそうだが、ハーフタイムに黒田剛監督から「シュート打つときに、ふかさないようにと自分に言い聞かせろ」と修正のアドバイスを受けこともあり、2回目のチャンスは見事決め切った。
青森山田勝ち越し後は、名古屋の猛攻が始まる、狭いスペースでのコンビネーションプレーで、ゴールに攻め込むが、プレミアリーグファイナルMVPに輝いた4番・箱崎拓をはじめとする守備陣が、強固なブロックを組み、自由を与えなかった。そしてこのまま試合は終了。青森山田が名古屋との撃ち合いを制し、高校年代の王者に輝いた。
「名古屋の攻撃力はリスペクトして試合に臨んだ」黒田剛監督が試合後に語ったように、名古屋の攻撃を警戒していた。特に試合の中で意識させていたことは、名古屋U18の選手が“ボールを保持したときのアプローチの距離”だったという。「(名古屋の)プレミアリーグWESTの試合を見ると、対戦相手が2m、2.5mくらい空けてしまっていて、名古屋の選手に好き放題やられていた印象だった。なのでこの試合では1.5mまで寄せて、相手の自由を奪おうと意識させました」と語ったように、青森山田の選手たちはテクニカルなプレーをする名古屋の選手から離れず、自由にやらせない徹底した守備が光っていた。そして奪ってから素早くカウンターを仕掛ける。1点目のようにリスタートから得点を奪う。攻守両面で明確な狙いのもと、焦れることなく90分間貫き通した。
2週間後には全国高校サッカー選手権大会も控えている青森山田。今夏のインターハイでは3回戦で敗退してまった悔しさを晴らすため、そして選手権では2連覇を狙うためにも、今年2つ目のタイトルを狙いにいく。
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