戦術の幅を見せたバディーSCが9年ぶりの優勝を飾る!/取材レポート
2019年12月30日
育成/環境
取材・文●高橋大地 写真●佐藤博之
状況に合わせて、対応したバディーSC
2019年12月29日(日)、鹿児島県にある白波スタジアムにて『JFA 第43回全日本U-12サッカー選手権大会』の決勝戦が行われ、神奈川県第2代表のバディーSC(以下、バディー)が千葉県代表の柏レイソル(以下、レイソル)を3―1で下し、9年ぶりの優勝を果たした。
天気は生憎の曇り空で、鹿児島を象徴する桜島を望むことはできなかったが、気温は11Cまで上昇し、スポーツをするには程よい気候の中で2019年度のU-12年代日本一を決する戦いを迎えた。関東勢同士の戦いとなった決勝は、柏レイソルがピッチをワイドに使う得意の戦法でバディーゴールに迫る。
今年のレイソルは、両サイドMFが中に絞ってできたスペースを、3バックを形成する両サイドの選手が、相手ゴール前までオーバーラップしていく攻撃を得意としていた。決勝戦でもその型は火を吹く。前半9分に右サイドバックの14番・三村叶夢くんが9番・越川翔矢くんのスルーパスに抜け出し、GKと1対1を制してゴールネットを揺らした形は、今大会のレイソルの戦い方を象徴するゴールだったと言っていいだろう。
バディーの南雲伸幸監督も「前半はレイソルさんの出入りのあるサッカーに対して、うまく対応できていないところがありました。それがまさに失点シーンでした」と、試合後に話した。
しかし、早い時間に失点を許してしまったことは、バディーにとって悪いことではなかったのかもしれない。
「たぶん緊張もあったと思います。普段できていることができていなかったので、失点した後すぐに声をかけました」。南雲監督の指摘で、失点後のバディーは落ち着きを取り戻した。
バディーが普段できていて、決勝の前半でできていなかったこととは「チームとしての守備のアクション」だった。
「レイソルの選手がボールをもったときに『長いボールでくるのか』それとも『ショートパスでくるのか』ということがすべてリアクションになってしまっていました。本来であれば、自分たちのアプローチひとつで、相手が『長いボールを蹴れるのか』『ショートパスを蹴れるのか』で後ろの形は決定するのに、そこを後ろの選手がレイソルの選手にあわせすぎてしまい後手後手になっていました。なので、まずはファーストアプローチをしっかりして、(後ろの選手は)そこの観察さえしっかりしておけば『長いボールでくるのか』『ショートパスでくるのか』わかるはずだから、と」(南雲監督)
チームとして良い守備が実行できるようになったバディーは、冷静さを取り戻し、徐々に試合の主導権を握っていった。そして0−1で迎えた23分にゲームが動く。キャプテン・白井誠也くんが得意のドリブル突破からゴール前にラストパスを供給。そのパスに走り込んだのは、途中出場の9番・田中菱くんだった。見事なゴールで同点に追いついたバディーの攻勢は続く。34分、後半から入ったFW八里悠太くんが左サイドの角度のないところから強烈なシュートを叩き込んだ。
後半から出場した選手の活躍で逆転に成功したバディー。「レイソルさんがボールをもっているなかで、カウンターが嫌なのかなぁという部分があった」と、南雲監督が語るように、3バックの両サイドがゴール前まで出ていくレイソルの攻撃は、高い位置でボールを失うと相手FWにとって広大なスペースを与えてしまう。そのスペースを有効に使ったのが八里くんだった。走力がある八里くんは、両サイドのスペースに走り込み、味方にボールを持つ時間を与えた。
値千金の逆転ゴールを決めた八里くんは、バディーの選手の中で異質なタイプのFWだった。実は、これまでエースとして出場していた10番・田野央哩波くんのケガの影響でDFからFWにコンバートされていたのだ。
「大会3週間前くらいからFWをはじめまして、まさかこんな舞台で点をとるとは思っていませんでした。だから、子どもの可能性って本当にすごいな、と思いますね」と、南雲監督。
いくら的確な分析ができて、改善するプランが浮かんでも、普段のトレーニングから選手たちに落とし込めていなければ、試合で実行することは不可能だ。全国大会決勝という大舞台で、状況にあわせて柔軟な対応をみせたバディーの選手たちは優勝に値するサッカーを見せたと言って良いだろう。
そして、南雲監督が言うように、つい1ヶ月前までDFだった選手がFWとして覚醒する。些細なキッカケひとつで、だれも予想できないような成長を見せてくれる子どもたちの可能性は無限大だ。
<関連リンク>
・JFA 第43回全日本U-12サッカー選手権大会
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