マンチェスター・ユナイテッドのユースでも導入されたストリートサッカー。「自由な発想とプレーを磨く場所」の重要性
2021年05月19日
戦術/スキルグリーンウッドやマクトミネイ。遡ればラッシュフォードやポグバなど、現在のマンチェスター・ユナイテッドでは多くのユース出身者がトップチームで活躍している。そんなチームのU-18では、ストリートサッカーをトレーニングの一貫として導入し、選手たちを本来得意とするポジションではないポジションでプレーさせていた。今回は、個人技術を磨くためのトレーニングの重要性を、現在発売中の『フットボール新世代名将図鑑』から一部抜粋して紹介する。
著●結城康平

(写真●Getty Images)
「ストリートサッカーの模倣」が流行
総合的に考えれば、ラインダースの求めるものはシンプルだ。緊密なブロックの間に生じる狭いスペースに縦パスを通せる選手であり、アタッカーにはそのパスを受けられるポジショニングと、打開能力が必要となる。彼はドリブル突破を得意とするアリエン・ロッベンの仕掛けるプレーではなく「ボールを受けるポジショニング」に着目。若手選手は、ロッベンのプレーを模範として「ボールを受けるポジショニング」を改善していた。戦術的ピリオダイゼーションの急速な広がりは、「試合形式のトレーニング」が占める割合を飛躍的に増加させた。それは選手の判断力や文脈に沿った技術のプレーの促進という観点ではポジティブな ものだが、一方で「基礎的な個人技術」のトレーニングに割く時間は減少する傾向にある。
伝統的にフランスは技術トレーニングを重視することで打開力に長けた選手を育成しているが、そのような選手を育てることが難しくなりつつある。同時にストリートサッカーのように「自由な発想とプレー技術を磨く場所」が都市化によって失われていることは問題だ。今やスマートフォンがあれば暇を潰せるので、時間があればボールを蹴っている子どもは少ない。多くのプロ選手に共通するエピソードとして、年上の兄とボールを蹴っていたというものがある。どうしても個人技術はボールに触った回数や時間を必要とするが、ユースのトレーニングだけではトップ選手を育成するには物足りない。
だからこそ、多くのクラブが課題を感じながら「ストリートサッカーの模倣」に取り組んでいる。例えば過去にマンチェスター・ユナイテッドでU-18のコーチだったポール・マクギネスは、毎週7人制のストリートサッカーをトレーニングの一貫として導入し、選手たちを本来得意とするポジションではないポジションでプレーさせていた。デンマークの強豪として知られるミッティランでもそのアイデアを模倣しており、ストリートサッカーを模した6分間のゲームを2枠トレーニングに追加している。
このような「整理されていない」トレーニングによって、選手たちの技術は磨かれている。ミッティランのU-19で監督として活躍する若手指導者ヘンリク・イェンセンによれば「ストリートサッカーによって、選手は自らを表現するようなプレーを奨励される」。彼らは自由にプレーする環境を与えられることで、普段はトライしないようなプレーを積極的に試していく。メンタル面でのポジティブな影響にも言及されているように、ストリートサッカーの重要性は興味深いテーマとなっている。
つづきは『フットボール新世代名将図鑑』からご覧ください。
【商品名】フットボール新世代名将図鑑
【発行】株式会社カンゼン
【発売日】2021/05/17
【書籍紹介】
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