「三日坊主」はどのように防ぐ?子どもの自主トレを効果的なものにする“成功体験の仮説と検証”

2021年10月20日

メンタル/教育
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サッカーだけではなく、勉強や趣味、習い事でも最初の段階はより多くのパワーが必要になってきます。そのため、物事を長く続けていくということが難しいものになっていきます。サッカーが上手くなるためには自主トレが必要だとわかっていても、それがなかなか続かないという子どもたちも多いのではないでしょうか。そこで今回は『フットボーラー独学術 生きる力を自ら養う技法』から、自主トレを効果的なものにする秘訣を紹介します。

『フットボーラー独学術 生きる力を自ら養う技法』

文●柴村直弥


最初の期間は「頑張りどころ」と想像する

 小学校5年生の時、通っていた小学校のサッカー教室の父兄コーチが私たち選手にこう言いました。

 「リフティングを自分で毎日やり、その日の最高記録を紙に書いて記録してみよう」

 それをやってみようと思った私は、家に帰るとボールを持って近所の空き地へ行き、1人でリフティング(主に足でのボールコントロールを養うため太腿を使うのは禁止)をしました。30分くらいでしょうか。最高回数は12回でした。

 そして、翌日またやると15回できるようになりました。翌々日は13回でしたが、そのさらに翌日には17回。このように折れ線グラフにすると上がったり下がったりしながらも少しずつ最高回数が増えていき、1カ月、2カ月とやっていくと小学校6年生になる頃には200回は容易にできるようになっていました。

 リフティングの回数が増えることとサッカーの試合での技術を養うことが大きくリンクするというわけではないと思いますが、リフティングの時に「インステップ(足の甲の部分)でボールの中心を蹴ると、ボールが回転せずに真っ直ぐ上に上がり、次に蹴りやすくなり安定する」ということを当時、自分なりに発見し(当たり前のことなのですが、当時の自分にとっては試行錯誤しながらの発見でした)、それを意識して行っていくことで、ボールをよく見て足の適切な場所に適切な強さで当てるという技術が少なからず上達していったと思います。

 そして、これは別にリフティングでなくても何でもよく、毎日続けてやっていることが自分の力になっていく体験ができたのが大きかったと感じます。毎日、その日の記録を紙に書き、あとから見直した際に記録が伸びていくのが目に見えていたことで、「今日取り組んだことがすぐに成果が表れなくても続けていくと自分の力になっていく。取り組んだことは力になる」ことを実感できました。

 実際行っていたリフティングの練習時間は1日15〜30分程度です。1時間程度やった時は徐々に集中力が途切れてきて、何度やってもなかなか記録が伸びないことを経験しました。そこから「短い時間を集中してやるほうが身になるのではないか?」と考えるようになり、集中して15〜30分程度やるようになりました。

 確かに習慣を変えることは簡単ではないと思います。

 「三日坊主」という言葉があるように新しいことを始める際、最初の三日ないしはもう少し長い最初の期間がよりパワーを使い、頑張らないとできない期間であると思います。ただ、その期間を超えて自分の中で習慣になればそれを行うことが苦ではなくなり、自然なこととなっていくと感じました。

 このサイクルを小学生の頃、自分の経験から徐々に理解するようになり、「最初の期間を頑張って乗り越えれば」と最初の期間を頑張りどころだと捉え、様々な習慣を取り入れていきました。

 これも「そういうサイクルがあるのかもしれない」と早いうちから仮説を立てて自分なりに検証できれば自分の経験値となっていきます。小学生など早いうちからこのように習慣化して取り組むことを体感できるといいのではないかと思います。


全文は『フットボーラー独学術 生きる力を自ら養う技法』からご覧ください。


【商品名】『フットボーラー独学術 生きる力を自ら養う技法』
【発行】株式会社カンゼン
【発売日】2021/10/18

【書籍紹介】

著者の柴村直弥は小学生の頃から自ら学ぶことを習慣化し、プロサッカー選手への道を切り開いていった。

選手としてそこまで特徴があったわけではなかったにもかかわらず、UEFAヨーロッパリーグ、AFCアジアチャンピオンズリーグ出場を果たせたのは、語学などサッカースキル以外の「学ぶ技法を学ぶ術」を持っていたからだ。

本書ではサッカー業界の様々な仕組み、流れを紹介しながら、サッカー選手として、そして引退後、社会で生きていくための技法を公開する。


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