重要なのは選手との距離感。日々の練習を行う前に考えてほしいこと【チームビルディング】

2022年07月15日

育成/環境

今月5日に『スポーツで役立つチームワークの強化書 「個」を生かすチームビルディング』が発売された。本書ではチーム作りをする上で指導者に求められる思考を解説し、チームワークを深める練習メニューを実際に動画付きで掲載している。今回はそのような練習メニューに取り組む前に指導者が一度考えて欲しいことを紹介する。

著●福富信也


メニュー集を見る前に考えてほしいこと
 ご紹介するアクティビティのルール・進行方法は標準的なイメージで書かれています。

 これを自分たち流にアレンジしてこそ意味があります。人数、時間などはあくまで目安です。

「このアクティビティを30分続けたら小学生では飽きてくるかもしれないから、このタイミングでこんなオプションを提示しよう」とか、「実施人数は8人と書いてあるけれど、今は成功体験を積んでほしいから、難易度を下げるために6人で実施してみよう」

 など、目の前の選手の様子やチーム状況に応じてどんどんアレンジしていだたいてこそ、アクティビティの価値が高まるのです。

 実際のアクティビティが始まったら、どうかまずは見守ってみてください。

 コーチの職業病かもしれませんが、「早くできるようにさせてあげたい」「自分のアドバイスで成功に導きたい」「早く目に見える成果が欲しい」という方が多いと感じます。

 しかし、本書でも触れましたが、押し付けられたやり方では「自分事化」は進みません。

 仮にコーチが指示をして課題が達成できたとしても、「言われたとおりに忠実に動く力」が強化されるだけであって、「自分たちで主体的に課題解決する力」はむしろ削がれていくと思いませんか。

 そして、絶対に忘れてはいけないことは、コーチが描いている 方法が唯一絶対の正解ではないということです。

 指示・命令の多いトップダウン型のコーチの下では、「コーチの限界がチームの限界になる」という極めて大きな危険をはらんでいることを肝に銘じましょう。

 コーチが直面したことのない問題にぶち当たったとき、そのチームは崩壊してしまうかもしれません。むしろ歓迎すべきは、コーチの想定を上回るような解決策を見つけ出してくれることです。

 だからこそ、関わるときの距離感は非常に大切なのです。

 そして、選手たちが本当に行き詰って、喉から手が出るほどコーチのアドバイスを欲しがったとき、はじめてその一言が重みを持つのだと思います。

<関連リンク>
コーチに必要なマインドセットとは?「知っているつもり」からの脱却と言語化の方法
チームの成長に応じたアプローチを。チームビルディングで意識すべき4つの過程とは


つづきは『スポーツで役立つチームワークの強化書 「個」を生かすチームビルディング』からご覧ください。



【商品名】『スポーツで役立つチームワークの強化書 「個」を生かすチームビルディング』
【発行】株式会社カンゼン
2022年7月5日発売

【書籍紹介】
日常に隠れた“成長の種”を見逃さない!

一体感は“背後のチーム”が鍵を握っている
心の安全を担保し“偽りの平和”から脱却する
ストーミング(混乱期)はチームの成長痛 etc……

チームづくりの着眼点を知り状況に応じた解決策を生み出すことができる!
スポーツ版チームビルディングの教科書。


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