高体連や街クラブはどうプレーモデルを設計すべきか。山梨学院を選手権優勝に導いた長谷川氏が語る高体連の利点とは

2022年09月06日

育成/環境

高体連や街クラブのほとんどはトップチームが存在しない。選手たちはチームを卒業すると、別のカテゴリーのチームへと進んで行くことになる。チームが異なればもちろんプレーモデルも異なってくる。これまで培ってきたサッカーに対する考え方が通用しない場合も出てくることもあるだろう。では、そのような状況にもうまく適応できる選手を育てるためには指導者はプレーモデルに対してどのようなスタンスを取るべきなのだろうか。本日発売の『フットボール批評 issue37』から、2020年に山梨学院高校を選手権優勝に導いた長谷川大氏のインタビューを一部抜粋して紹介する。

『フットボール批評 issue37』

文●松尾祐希



(写真●浦正弘)

プレーモデルは複数持ち思考に多様性を持たせる

 高体連はトップチームが存在しない。ユース年代のチームがクラブの中で最上位にくるからこそ、プレーモデルに対する考え方や落とし込み方が変わる。

「高体連のチームはプロクラブを持っているわけではないので、行く先のゴールを含め、同じプレーモデルを極めるところにはつながっていません」。多くの選手は高体連のチームを卒業すると、異なる環境でプレーする可能性が高い。アイデンティティも違えば、求められるプレーも変わってくるため、順応するまでに時間がかかるケースも少なくない。「私が担当するユース年代に限定して話すと、一つのそのプレーモデルにその選手を求めていくと、最終的なゴール地点と求められるものが違う可能性が出てく る」。長谷川の言葉どおり、高体連では次のステージに行った際に適応できるようにしなければならない。だからこそ、多様性を大事にすべきなのだ。長谷川は言う。

「私は選手たちのプレーを狭めようという気は まったくありません。私が求めているサッカーの答えは多様性。いろいろなプレーモデルに順応できる、引き出しの多い選手をたくさん育てることが、高体連の大きな役割だと考えています」

 長谷川大が語るとおり、クラブの育成組織はトップチームを頂点としたピラミッドが構成されている。一方で高体連はトップチームが存在しない。ユース年代のチームがクラブの中で最上位にくるからこそ、プレーモデルに対する考え方や落とし込み方が変わる。

「高体連のチームはプロクラブを持っているわけではないので、行く先のゴールを含め、同じプレーモデルを極めるところにはつながっていません」。多くの選手は高体連のチームを卒業すると、異なる環境でプレーする可能性が高い。アイデンティティも違えば、求められるプレーも変わってくるため、順応するまでに時間がかかるケースも少なくない。「私が担当するユース年代に限定して話すと、一つのそのプレーモデルにその選手を求めていくと、最終的なゴール地点と求められるものが違う可能性が出てく る」。長谷川の言葉どおり、高体連では次のステージに行った際に適応できるようにしなければならない。だからこそ、多様性を大事にすべきなのだ。長谷川は言う。

「私は選手たちのプレーを狭めようという気は まったくありません。私が求めているサッカーの答えは多様性。いろいろなプレーモデルに順応できる、引き出しの多い選手をたくさん育てることが、高体連の大きな役割だと考えています」

 だからこそ、一つのスタイルにしか適応できない選手を作るべきではないのだ。

「一つのスタイルにしか適応できない 選手を育てるのは、一番してはならないと思っています。そこは私がプレーモデルを考える上で最も根底にあるところ。だから、自分たちのサッカーはこういうサッカーだから、これだけを極めていくことはしたくない。いろいろなサッカーに対応していけるようにするべく、自分たちのチームの中で構築をしていくんです」


全文は『フットボール批評 issue37』からご覧ください。


【商品名】フットボール批評 issue37
【発行】株式会社カンゼン
【発売日】2022/09/06

【書籍紹介】

特集:[プレーモデル][プレーコンセプト][プレースタイル]を再定義する

流行りの横文字にだまされるな

日本社会全体に横文字が氾濫しているのと同様に、サッカー界にも横文字は横溢している。日本サッカー協会が7月15日にホームページに公開した全55ページに及ぶ選手育成の指針名「ナショナル・フットボール・フィロソフィーとしてのJapan’s Way」からして、現状の趨勢を表しているといっていい。もちろん、本文中にもこれでもかと言わんばかりに、横文字が散りばめられている。

小誌は今回、サッカーチームの指針ともいえる横文字[プレーモデル][プレーコンセプト][プレースタイル]の再定義に挑んだわけだが、前記の「国民的蹴球哲学」(あ・え・て)ではこの3用語ではなく[プレービジョン](26~32ページ)という表現が使われている。ガクッ……。指針を表す横文字でさえ各所で統一されていない現状では、迷い人が量産されるのは目に見えている。「STOP 横文字被害! 私はだまされない」。急場しのぎとして、ひとまずこの姿勢が重要かもしれない。


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