【子ども向けトレーニング集】逆足コントロールを磨くためにヴィセラルトレーニングはどのようなアプローチができるか?

2023年10月20日

育成/環境

前回の記事では、異なる状況への適応能力を伸ばすための子ども向けヴィセラルトレーニングのメニューを紹介した。今回は逆足コントロールを養う子ども向けのヴィセラルトレーニングのメニューを『フットボールヴィセラルトレーニング 無意識下でのプレーを覚醒させる先鋭理論【実践編】』より一部抜粋して紹介する。

著●ヘルマン・カスターニョス、監修●進藤正幸、翻訳●結城康平


子どものヴィセラルトレーニングとは神経可塑性を失わせないこと

 成人のサッカー選手を考えるとき、なぜ神経可塑性に重点が置かれるのだろう? それは単純に、彼らが神経可塑性を失っているからだ。子どものヴィセラルトレーニングは、神経可塑性の開発を目指していない。子どもは、すでに神経可塑性を持っているからだ。求めているのは、神経可塑性を失わせないこと、次に向上させることだ。言い換えれば、失われるのを防げれば、神経可塑性を開発する必要はない。

 利き足ではない足を使わせるトレーニングは、従来、ドリル形式のアナリティックトレーニングや逆足でプレーすることを強制された試合で訓練されてきた。では、この問題に対してヴィセラルトレーニングは何ができるのだろう?

 例えば、ボールを使った狭いフィールドの試合で、苦手な足でプレーする試合をイメージしてみよう。

 チームメイトが外から時々ボールをパスしてくるので、そのボールを逆足で返す必要がある(そのチームメイトはピッチの外で1対1をしていて、相手にボールを奪われないようにする必要がある)。

 同じトレーニングの変種として、外側の選手がそのアクションのサイクル(ボール保持+パス+リターン+コントロール)を完了することができれば、ゴールを狙うためにボールを持ったまま試合に参加することを許可する選択肢がある(そしてサイクルを再開する)。

 2つのボールを使う試合もある(赤いボールは右足、黄色いボールは左足で扱う)。いずれの場合も、制約的なルールが作業記憶に保持されていることに依存している。外部のパートナーからのパスの前には、逆足でのリターンを行う必要がある。または、別の色のボールを視認したら、逆足でプレーする必要がある。これを防ぐためには、子どもが利き足を使えない方法を見つける必要がある。


全文は『フットボールヴィセラルトレーニング 無意識下でのプレーを覚醒させる先鋭理論【実践編】』からご覧ください。


【商品名】フットボールヴィセラルトレーニング 無意識下でのプレーを覚醒させる先鋭理論【実践編】
【発行】株式会社カンゼン
【発売日】2023/10/03

【書籍紹介】
タスク(課題、目的)に向けて「レイヤー(層)=変数」を重ね、実際の試合以上の複雑性を生み出す

阿部勇樹(元日本代表)推薦!「この先のサッカーのために何が必要か? 指導者として新たな発見があった」

上巻『フットボールヴィセラルトレーニング[導入編]』では、神経科学を実用的に用い、認知、意思決定、無意識下でのプレーを最適化するための理論を紹介した。

下巻『フットボールヴィセラルトレーニング[実践編]』では、タスク(課題、目的)に向けて「レイヤー(層)=変数」を重ね、プレーヤー、フィールドサイズ、ピッチ形状、ゾーニング、ボール、ゴール、ゲート、ツール、時間などを操作し、実際の試合以上の複雑性を生み出すヴィセラルトレーニングの構造を具体的に解説していく。

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