テクニックの使い方を知らない日本人選手。技術ばかりを磨く育成環境に疑問
2018年09月29日
未分類日本人選手の”テクニック”は世界でもトップクラスである。それは、日本代表の香川真司選手(ボルシア・ドルトムント)や乾貴士選手(レアル・ベティス)、最近急成長を遂げている中島翔哉選手(ポルティモネンセ)が証明している。世界に通用する”テクニック”は日本人選手の一つの武器であるが、日本人選手は「道具(テクニック)の使い方を知らない」(元浦和監督・ゲルト・エンゲルス)。その原因は日本の育成環境に隠れている。
【後編】ここがヘンだよ日本の育成。 選手に判断をゆだねられないのはなぜ?
『英国人から見た日本サッカー“摩訶不思議”ニッポンの蹴球文化』より一部転載
文●ショーン・キャロル 写真●Getty Images、佐藤博之
本物のワールドクラスのタレントはまだ日本から生まれていない
日本ではいつも、何をするにも決められたやり方がある。
会議の前には準備会議があり、試合を取材するには前もってFAXを送らなければならず、試合のたびに分厚い冊子で細かなスケジュール表が配布される。たとえば、「選手たちは 18時54分にロッカールームを出発します(1分前にブザーで知らされます)」といった具合だ。
もちろん、こういった組織的なシステムは多くの面で歓迎すべきものだ。Jリーグが、アジアでもっとも先進的なリーグとして評価を確立させる手助けとなったことは間違いない。アジア各国の協会が、日本にスタッフを派遣してワークショップやセミナーに参加し、自国のリーグ運営の改善を図ろうとしている。「準備を怠ることは失敗への準備」という古いことわざもある。
だが、あらゆる細部にこだわりすぎるあまりに、より大きな観点を失ってしまうことも多い。また、別のことわざで言えば「木を見て森を見ず」ということだ。
日本におけるユース選手の育成は、こういった面において格好のケーススタディとなり得るものだ。次世代のトップ選手たちを生み出すため、広範で精緻で濃密なネットワークが国内に展開されている。2050年までにW杯を再び自国で開催し、優勝したいという「JFAの約束2050」は、着実に形を見せつつある。
このシステムは各レベルで然るべき称賛を集めており、日本のユースカテゴリーは、高いクオリティの才能を輩出しているとして確固たる評価を得てきた。アジアの中では特にそうだが、世界の舞台でも評価を高めつつある。優れた技術を持つ若手選手たちは着実にJリーグへと流れ込み、そこから欧州の各リーグへと向かう選手も増加している。
だが、トップレベルで主力選手となれる者はごくひと握りであり、本物のワールドクラスのタレントは日本からまだ生まれてきてはいないと言っていいだろう。
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