「どうしてシャビは利き足だけでプレーできるのか」。ボールの置き方次第で“世界”が変わる
2019年05月12日
育成/環境欧州サッカーでは両足を使えるようにする指導が標準化している。日本のサッカーも同様だ。どちらの足でも上手に扱えるようになれば苦手な角度や向きが減り、どの方向にもボールを送れる、それは道理ではある。しかし速いプレッシャーを常にかけられている状況で、それができるものだろうか。ボランチが左右にパスを散らすときならいざしらず、運んでいるときにまで。この疑問の一端に迫るべく、超絶的な技巧で知られる名手たち、そして利き足を中心にした指導の重要性を説く人々への取材をおこなった。『フットボール批評issue22』で取り上げた利き足問題を、再度現場の視点で検証する。
『フットボール批評issue24』より一部転載
文●加部究 写真●後藤勝、Getty Images
【バルセロナ時代のシャビは95%以上利き足でプレーしていた】
「利き足が上達すると、目的意識が芽生えます」
森谷周平は、浜松大を卒業すると、ユース時代を過ごした川崎フロンターレで4年間スクールの指導をした。ちょうど同クラブで髙崎がジュニアの監督を務めていた時期で、スクールが終わると手伝いもするようになった。ある時髙崎にダノンカップ世界大会の映像を見せてもらい、フランスや南アフリカの選手たちのボールの持ち方や身体能力がまるで違っていることを実感する。大学時代にサイドを主戦場とした森谷は、左が上手く蹴れなくて、左サイドでプレーする時は右足アウトでクロスを上げていたが、監督に「左サイドからは左で」と指示されていた。右のキックには自信とこだわりがあり 釈然としない部分があったので、逆に利き足を重視する髙崎の考え方に強く共感した。
早速森谷は、ジョゼップ・グアルディオラ監督時代のバルセロナの映像を集め、アンドレス・イニエスタ、シャビ、リオネル・メッシの3選手のボールタッチを10試合ほど検証した。「当時のバルサは、圧倒的にボールを支配していましたからね。シャビのボールタッチは800回を超えたこともあります。また3人ともツータッチ目以降は、全ての試合で95%以上利き足でプレーしていました。ほぼ全ての仕掛けは利き足だったことになります」
森谷は続けた。「どうしてシャビは利き足だけでプレーできるのか。それは立ち位置を凄く工夫しているからです。こういうふうになればボールを取られないというポイントが判っているから、相手との距離や、相手の前後左右のバランスを考え、身体の向きや立ち位置を微調整してそこにボールを導く。逆にバルサで晩年出場機会が減り始めた頃は、逆足でボールに触ることが増えてきました。利き足で触るための微調整が合わなくなってきたのだと思います」
一方で森谷は、現実にピッチ上の子供たちが、髙崎の指導の下で急激に上達していることに目を見張った。「ボールコントロールにこだわり始め、利き足が上達すると、目的意識が芽生えます。相手のタイミングを外すには、まず勝負出来る所にボールを置く必要があり、さらにボールのどこを触れば良いのか、どんなステップを踏めば良いのか、ドリブルならどこへ運べば良いのか…。それが自在にできると、相手は奪いに出て来られなくなる。また味方は、それを見て動き易くなります」
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