サッカー母ちゃんの“まだまだ”ドタバタ日記「第34回 つかみとったチャンス」

2013年11月28日

コラム

秋の涼風が吹くようになった、ある土曜日。

さっさと後片づけしたいのに、なかなか片づかない食卓と台所でウンザリする母ちゃん。

そして、いつもより遅い時間に長男が帰宅。

「今日遅かったじゃないの」

「だって、試合だったもん。今日、オレ、1本目だった!」

「な、なにーっ!!」

試合で1本目から先発…ということは、ついに学年のトップチームに入れたということ…!?

やったーっ! バンザーイ!!!

長男を待ちくたびれていた母ちゃん、いきなりハイテンションでバンザイ三唱!

父ちゃんもやって来ました。

「勝った!?」

「3-0で勝った。オレ、1点決めて、1アシスト!」

「へーえ!!」

「最後にオレが、ダーッって走って、こうやって、アウトサイドで、パス出して」

「アウトサイドって、左? 右?」

「右、右!! それで、〇〇が決めて。オレ、今日キレまくってたし」

嬉しそうに話す長男。

やった~、ついに1本目デビューか。

「く~、見たかったなぁ……!!!」

父ちゃんが台所にやってきた。さては飲みなおすつもりだナ。

長男が以前一度お試しで1本目でプレーしたときは、緊張して全然ダメだったみたいだったけど。

でも、チャンスがあってよかった。春のダメダメ期をよく乗り越えました。

「そういえば、監督がお父さんと保護者会で話したよ、って言ってた」と長男。

へえー。1年坊主が監督に声かけてもらえるんだ!

そうそう、ぜひ試合を見に来て下さい、息子さんのだけでなく、学校のチームを見て応援してください!って言われたんだよねー。

「ホントホント? 監督、なんか言ってた? いいお父さんだねとか言ってた?」

長男父ちゃんの質問には答えず、どこか遠くを見て、

「オレ、こういうときはどうしても、いつも緊張しちゃってダメなんです。って言ったら」

「?」

「監督がね、『平常心でやるんだ!』って」

「フーン、それで、今日は監督のアドバイスで平常心を保てて、うまく行ったって感じ?」

「そうかもしれない」

長男、なんかスッカリ自分のサッカーワールドに入ってる!

「それにしても、なんで1本目に入れたの?」と現実に引き戻す母ちゃん。

「1人、上の学年のチームに上がったから」

「じゃ、その子がまた戻ったら、また落とされるじゃん」

「いい、そしたらオレまた上がるから」

がんばるなァ!

「明日は学校のグランドで練習試合。今日は早く寝よ」

父ちゃん、ついに言いました。

「な、明日、見に行っていいだろ? 1本目になったら見に行っていいって言ったよな」

「ああ……ウン、いいよ。でも明日も1本目かわからないよ」

長男が風呂場へ行ったあと、振り返った父ちゃんの、恵比寿様のような笑顔……。

「やった、ついに見に行けるぞー!!!」

半年ぶりか。

うれしくてたまらないけど、次男の手前、ぐっと我慢しつつ、冷蔵庫の前でこっそりハイタッチ(?)する父ちゃんと母ちゃん。

店じまい寸前だったしょぼくれた台所は、一転してどんちゃん酒場になったのでありました。

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