自律神経のバランスを整えてパフォーマンスアップ!【前編】

2013年12月07日

コラム

ベストセラー『なぜ、「これ」は健康にいいのか?』の著者であり、数多くの健康番組に出演している順天堂大学の小林弘幸先生。小林先生は、自律神経の研究の第一人者として、プロスポーツ選手、アーティストなどのコンディショニング及びパフォーマンスアップのための指導にも携わっています。ドリブルなどのサッカースキルをいかんなく発揮するために「心」をどのように整えばいいのかを考えてみましょう。

文●大利実 写真●編集部

※『ジュニアサッカーを応援しよう!Vol.28春号』P52-55より転載


自律神経って何だ? 交感神経と副交感神経の関係

――まずは小林先生が研究されている「自律神経」について教えてください。

小林 自律神経とは人間の生命活動の根幹、つまりはライフラインを支えているものと思ってください。具体的にいえば内臓血管のすべて、とりわけ血管をコントロールしている神経です。「呼吸」も自律神経がコントロールしています。

――自律神経は「交感神経」と「副交感神経」にわかれているという話を聞いたことがあります。

小林 はい、交感神経と副交感神経の2種類の神経から構成されています。わかりやすくいえば、交感神経は車にたとえるとアクセル、副交感神経はブレーキの役割を持っています。アグレッシブな状態を作るのが交感神経、リラックスを生み出すのが副交感神経と思っていいでしょう。

――どちらが優位のほうがいいのでしょうか?

小林 理想はともに高いレベルで活動し、1対1の状態であることです。これが、バランスの取れている状態となります。自律神経の観点から見ると、本番でパフォーマンスを発揮するためには、バランスのいい状態を作ることがもっとも大切なことになるのです。

――自律神経という視点で、「ジュニア世代」が頭に入れておくことはありますか。

小林 子どもと大人を比べると、実はバランスがいいのは子どものほうです。副交感神経は年齢とともに退化していくため、大人になるとリラックスしづらくなっていきます。子どもは環境への適応が早く、落ち込んだとしてもすぐに切り替えられる。大泣きしていた子が、すぐに笑顔になってプレーしていたりしますよね。それはまだこの年代にバランスのよさが備わっているからです。

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