覚えたフェイントを試合で使わない!

2012年05月01日

コラム

池上正さんが子どもに対する悩みや、保護者・コーチの子どもを取り巻く大人に関する疑問や悩みに答えるこのコーナー。今回のお悩みは「覚えたフェイントを試合で使わない!」です。

◎自宅(ピッチ外での子育ての悩み)

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(質問者:小学5年生女子の保護者)

エラシコなどフェイントを教えると、一生懸命練習しますが、試合では全く使おうとしません。「フェイント覚えたんだからやればいいのに」と言うと「だって相手がボールを奪いに来るのに余裕なんてないじゃん」と抵抗してきます。
また、娘はリフティングが下手。近隣のチームでは高学年になるまでに「リフティング検定」があり、「100回」がノルマだと言う話を聞きました。東京都の女子トレセンの参加資格も「リフティング50回」だそうです。先日卒団した1学年上の先輩選手は200回以上でき、都トレセンにも選ばれたので、「リフティングを自主練したら」と勧めますが、「なんで(リフティングが)必要なのか意味がわからない」と興味がわかないようです。「だったらフェイントだって使わないなら練習する意味ないじゃん」と言い返すと黙っていました。どう接したらいいものか悩みます。

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せっかく覚えたフェイントや技は
試合で使えてこそ生きる

 せっかく覚えたフェイントや技を使わないのはもったいないですね。私が指導してきた子どもたちも、ロナウジーニョなど世界の名手の技を真似てマルセイユルーレットやエラシコを見せてくれていました。でも、試合では絶対に使いません。私が「試合で使ってごらんよ」と声をかけると、この娘さんのように「試合じゃ使えないよ」と言います。私からすれば本当に不思議です。

 一方で、欧州や南米の子どもたちは、遊びの中や練習で覚えたフェイントを試合で使おうとします。でも、日本の子たちはただ仲間に「ほら、できるよ」と見せるためにやっているように見えます。なので、ジェフ時代に一緒に指導していたブラジル人コーチのジョゼなどは「君たちはプロのサッカーチームではなく、サーカスに行くの?」と言って冷やかしていました。

 若い指導者がやってみせたりするのをよく見かけますが、その人たちもぜひミニゲームなどで見せてあげるといいと思います。ヨーロッパや代表の試合を録画しておいて、選手が実際にフェイントを使った場面を見せてあげてもいいですね。
 お子さんにはぜひ「失敗してもいいからやってみてごらん」と声をかけてください。ミスするのが恥ずかしいと思っているのかもしれません。プロでもたくさんミスをします。ミスをするのがサッカー。よくコミュニケションできているようなので、そういった話をたくさんしてください。そして、ミニゲームや試合でフェイントを試そうととしていたら「よくトライしたね。いつかできるようになるよ」と挑戦したことをほめてあげましょう。

 また「なんでリフティングが必要なのかわからない」というお嬢さんの言葉を読んで、「ほう、いいね」と思わず感嘆しました。親子のやり取りはほほえましく、このように互いの考えを交換してほしいと思いました。
  セレクションの参加資格がリフティングなのは、ある程度の技術の目安なのでしょう。本人が本当にトレセンでやってみたいと思えば、そのうちやりだしますよ。

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