児童精神科医・渡辺久子先生が伝える『睡眠』の重要性
2015年11月05日
コラム思春期を迎える子どもが、ホッとする親になるためにはどうすれば良いのか。今回は『思春期の子のこころがわからなくなったときに読む本』の著者である渡辺久子さん(児童精神科医)の言葉を一部抜粋して紹介します。
(著●渡辺久子(児童精神科医) 写真●編集部)
『思春期の子のこころがわからなくなったときに読む本』より一部転載
「寝る子は育つ」。親は子どもの生活リズムを整えるサポートを
人の成長を促す成長ホルモンは、胎児期、幼児期にも分泌されていますが、思春期には大量の成長ホルモンが分泌されるようになります。
成長ホルモンの分泌が盛んになったかどうかがわかるのが身長です。春に測った身長と秋に測った身長の差が、去年1年間の伸びを超したら、思春期の入口に入ったと考えていいでしょう。
思春期が胎児期や乳幼児期と違う点は、成長ホルモンに加えて、性ホルモンの分泌もはじまる点です。思春期の入口の10歳前後の時期には、性ホルモンの分泌はまだ少しです。その後、徐々に性ホルモンの分泌が本格的になります。
成長ホルモンも性ホルモンも夜中に分泌されます。寝ている間に火山が噴火するような勢いで分泌されます。「寝る子は育つ」ということわざの通りです。
日が出たら活動し、日が沈んだら眠るというメリハリのある習慣は、脳の発達の基本です。現代人の環境下では習慣化が難しい面もありますが、子どもの生活のリズムをさりげなくサポートできたらいいですね。
<関連リンク>
・思春期の子育ては親子の関わりをみなおす時期
・思春期に変身する子どもの“ありのまま”から逃げない
プロフィール
著者:
渡辺久子
児童精神科医。1984年、東京生まれ。慶應義塾大学医学部卒業後、同小児科助手、同精神科助手、小児療育相談センター、横浜市民病院神経科医長を経て、ロンドンのタビストック・クリニック臨床研究員として留学し、精神分析と乳幼児精神医学を学ぶ。2014年に世界乳幼児精神保健学会賞を受賞する。
【商品名】思春期の子のこころがわからなくなったときに読む本
【発行】株式会社カンゼン
【著者】渡辺久子(児童精神科医)
四六判/176ページ
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