状況判断力アップの秘訣は? ミッドフィルダーの選手が絶対におさえておきたい“3つの能力”
2017年12月19日
コラムピッチの中央位置するセンターハーフ(MF)はゲームメイカーとも呼ばれ、現代サッカーにおいて勝敗の行方を左右するほど重要なポジションと言われています。ミッドフィルダーは攻守両面に関わることで他のポジションの選手より、より速く正確な「状況判断」が求められます。では、速く考えて正確な状況判断ができるようになるためは、何をこころがけるべきなのでしょうか。本日発売となった『マンガでたのしく学ぶ! ジュニアサッカー 世界一わかりやすいポジションの授業』から紹介します。
文●西部謙司 写真●GettyImages
『マンガでたのしく学ぶ! ジュニアサッカー 世界一わかりやすいポジションの授業』から一部転載
速く考えられるようになるために必要の力とは
遠藤保仁選手は、小学生のときに「プレーするときに周囲をよく見なさい」とコーチに教えられたそうです。「だったら、普段から周囲を見る癖をつけよう」と遠藤選手は考えました。
それで、サッカーをするとき以外でも周囲の様子を注意して見るようにしたそうです。日常生活から周囲を見ることを続けていくうちに、中学校を卒業するころになると「試合中に全体の動きがわかるようになった」そうです。
私たち取材者はスタンドの記者席から試合を見ます。最初に確認するのは両チームのフォーメーションなのですが、はじめて見るチームだとフォーメーションがはっきりわかるまでに5〜10分ぐらいかかるのが普通です。
遠藤選手に聞くと、だいたい同じぐらいの時間でわかると言っていました。記者は高いところから見ているので全体の配置がわかりやすいのですが、選手は同じ平面にいる相手を見なければいけないので、かなりわかりにくいはずです。
さらにプレーしながらなので、スタンドの記者席から見ている私たちと同じぐらいの時間で相手のフォーメーションを把握できる能力はすごいと思います。
MFに必要なのは「考える力」です。ただし、考える前に「見る力」が必要です。見て、状況判断します。しかし、サッカーにおける「考える」は算数の問題を解くような「考える」とはちがっていて、選手本人にはほとんど考えているという自覚はありません。
「さて、どうしようか」と考えるのではなく、「こうしよう」と勝手にアイデアが浮かんでくるのに近いのです。また、それぐらい考えるのが速くないとサッカーでは役に立たたないでしょう。では、速く考えるにはどうすればいいのでしょうか。
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