「サッカー経験者の母」と「サッカーをしていない姉」。「サッカー大好き少女」と家族の話
2018年06月28日
コラムサッカーを好きになって夢中になるキッカケは人それぞれにあると思います。神奈川県横浜市に住んでいる佐藤桜咲(さき)さんは家の中でもボールを蹴っているほどの大のサッカー好き。彼女はなぜサッカーを好きになったのでしょうか。とある家族のカタチをご紹介します。
取材・文●山本浩之、写真●ジュニサカ編集部 協力●サミー株式会社
サッカー経験のある母親ならではの娘との関わり方
6月に入って二回目の土曜日は朝から蒸し暑く、梅雨空は相変わらず不安定だったが、昼過ぎになっても雨に降られることはなかった。まずまずの天気だ。午後2時を過ぎて、横浜市内にある公園のサッカーグラウンド横の芝生広場に着くと、すぐ目に入ったのは少女が母親とサッカーボールを蹴っている姿だった。
5月27日の『SAMMY SOCCER PROJECT FIELD PROGRAM inTOKYO』で低学年の部のジュニサカMIPに選ばれた佐藤桜咲さんと母親の礼子さん、そして桜咲さんの二つ上の姉・美桜(みお)さんだ。所属するチームの試合を終えてから、取材のためにそのまま公園に残っていてくれた。
いつもボールと一緒――。桜咲さんは、まさにそんな女の子だった。
「桜咲は、平日の練習がないときには近くの公園に行って、男の子と一緒になってボールを蹴っているみたいです。家の中でも、歯磨きのときや、髪の毛をとかしたりするときまで足元にボールがあるのですよ」と姉の美桜さんがいたずらっぽく笑うと、隣に座っていた母親の礼子さんが「本当にサッカーが好きなんでしょうね」と話しを受け継いだ。
「たしかに自宅のリビングにも室内用に普通のサッカーボールをひとつ転がしてありますけど、別に練習をさせるつもりで用意したわけではないのですよ」視線の先では、桜咲さんがひとりでボール遊びをしていた。
「実は、私自身も子どもの頃に家の中でボールを蹴っていた思い出があるんです。母が夕飯を作っているときに、兄と私で『ここのドアがゴールね!』って決めてボールで遊んでいました。そんな時期が私にもあって……それがすごく楽しかった。だから禁止にするのもね(笑)」
話しからもわかるように、母親の礼子さんもサッカー少女だったのだ。1歳年上の兄の影響もあり、礼子さんにとってサッカーは小さい頃から遊びのひとつだった。小学校に上がってからは地域のサッカークラブに入って男の子と一緒にボールを蹴った。
「当時と比べると今は環境に恵まれていますよね。私のときは、まだ砂の校庭や草ぼうぼうのグラウンドが当たり前でした。教えてくれるのは、ボランティアのコーチで30代~50代ぐらいの方が多かったですかね。感情的な指導があったわけでもないですし、そんなに厳しくもありませんでした。でも、今のように、こまめに給水をする習慣もありませんでしたし、熱中症に関しても、それほど気をつけることはなかったですよね」
やがて礼子さんは中学校に進むと陸上部に入った。女子は学校のサッカー部に入部できないからだ。サッカーは休日だけ、女子のジュニアユースがあるクラブで続けた。
そして今、礼子さんは、平日の夕方に時間があるときは、娘と一緒に公園でボールを蹴っている。「桜咲がサッカーをはじめたことで、私も久しぶりにサッカーボールにさわりました」と嬉しそうに話す。
「チームは試合が多いので、私と練習するときは、マーカーやコーンを使ったドリブルや、トラップとか基礎的なところもやります。あと、最近は試合を見ていて、浮き球の処理の必要性を感じたのです。どこにボールが落ちてくるのかは数を重ねないとわからないので、体感してもらえればと思って私が浮き球を蹴ることがあります。コーナーキックやペナルティキックの練習もやりますね」
礼子さんの口からは練習メニューがつぎつぎに飛び出してくる。「サッカー経験があると、つい口を出し過ぎてしまう? それはありますね、見えなくてもいいところも見えてくるというか」と言ってハハッと笑う。
「以前は言うときもあったんですけど、ダメ出しをするよりもポジティブな言葉かけの方が本人のためになると思えてきました。まだ2年生なので、ああだよこうだよって、サッカーのことを教えようとするのもどうなのかなって……。私自身、その頃にどれだけ理解できていたのかと問われると、あまりわかっていなかったと思うのです。チームのお母さんたちとも、そんな話題になることがあるんですけれど、みんなも『子どもは褒めて伸ばすんだよね!』って言ってますよね」
【佐藤桜咲さんと母親の礼子さん】
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