良いリズムの練習は指導者の手腕次第。”バルサメソッド創始者”が語るコーチングの目的
2018年05月17日
サッカー練習メニュー11歳~14歳の子どもたちには指導者からのアドバイスを増やしつつ多くの試合を経験させることが必要になってきます。指導者がトレーニングに介入する際は、どのようなことを目的にしてアドバイスをすると良いのか。バルセロナのコンセプトを作り上げた”バルサメソッド創始者”ラウレアーノ・ルイス氏の著書『世界最高のサッカー指導書 バルセロナトレーニングメソッド』から一部抜粋して紹介します。
著●ラウレアーノ・ルイス 訳●高司裕也 写真●佐藤博之
『世界最高のサッカー指導書 バルセロナトレーニングメソッド』より一部転載

※写真はイメージ
同じミスを繰り返させないように修正する
残念ながら、戦術について考えることを放棄した指導者がいます。自分は戦術に精通できないと考え、選手たちの前で恥をかくことに怯えてしまっているのです。そうした指導者は、知識が欠如していることがばれてしまうことを恐れており、黒板を用いたがりません。
システムを指導したり、ルールを教えたりするために、黒板を使うことは必要不可欠です。常々私たちは黒板を利用した指導法に賛同してきました。
上手にサッカーをプレーするためにファウルやプレーについて理解している必要があります。今話題にしているのは12〜14歳の年代ですが、この年代でもルールで許されたあらゆるプレーを、トレーニングや試合のなかで用いなければなりません。そうすることによって、選手の能力を最大限引き出すことができます。
7歳~10歳の子どもたちの試合中は、あまり指導者が介入しないようにと述べました。子どもたちに必要なのは、アドバイスではなく試合でのプレー経験だからです。11歳~14歳では、7歳~10歳の子どもたちとは異なり、指導者からのアドバイスを増やしつつ、試合を経験させるようにします。
トレーニングの際に指導者は、8〜10分ほど練習の様子を観察し、プレーを止めます。プレーを止めるのは、選手たちが回復する時間を作り、同じミスを繰り返させないように修正することが目的です。トレーニングは、試合でも正しいプレーができるよう意識をさせながら行いましょう。
トレーニング中のミニゲームは、プレーの組織化と技術向上を完璧な形へと仕上げていくものです。つまり、トレーニングで行ったことを試合でできるようにすることが大切です。
しかし、プレーが良いリズムで行われるかどうかは、指導者の手腕によるかもしれません。選手たちに任せきりだと、選手が手を抜き、リズムが遅くなり、消耗度の低いトレーニングになりかねません。
指導者に向けての3つのアドバイスがあります。
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