「走るのが苦手で辛かった」 日本代表・川島永嗣がゴールキーパーになるまで
2018年07月05日
コラムロシアW杯決勝トーナメント1回戦で日本代表はベルギー代表に2-3で逆転負けを喫しベスト8進出を逃しました。グループリーグからの4試合、日本代表の守護神としてゴールを守り続けた川島永嗣選手(与野八幡サッカースポーツ少年団/与野西中学校/浦和東高校)はミスで批判を浴びながらも、ポーランド戦、ベルギー戦では日本代表を救うスーパーセーブを見せてくれました。今回は、そんな川島選手の少年時代を振り返っていきます。
再構成●ジュニサカ編集部 文●元川悦子 写真●GettyImages
『僕らがサッカーボーイズだった頃3 日本代表への道』より一部転載
サッカーを始めたのは小学2年生のとき
東京ディズニーランドが開園し、「おしん」ブームも起きた1983年の3月、埼玉県与野市の川島家に3人目の子どもが誕生した。七つ年上の姉・章代さん、一つ上の兄・崇史さんに続く次男の誕生に家族は感極まった。
「私の父と懇意にしていた名づけの先生が川口市にいて、主人が自ら出向いて『永嗣』という名前をつけていただきました。候補は四つくらいあったみたいなんですけど、読み方がポピュラーで馴染みやすいということで、この名前に決めました」と法子さんは命名の由来を打ち明ける。確かに呼びやすく、外国人にも覚えやすい名前ということで、国際色豊かな現在の彼にはピッタリ合ったようだ。
幼い頃の永嗣少年は外に出て駆け回る活発な子どもだった。父が休みの日には、兄と2人で「遊びに行こう」とせがんで、寝ている誠さんを起こし、3人で近くの秋ヶ瀬公園まで自転車で出かけてボールをける……。そんな心豊かな時間をよく過ごしたという。
「でも実は泣き虫。姉ちゃんや兄ちゃんに構われて、単純なことでよく泣いていた気がします。相当な怖がりでもあった。2階の窓を1人で閉めに行けなかったですからね」と本人は笑いながら意外な一面を明かす。そういう末っ子を家族全員が可愛いがっていた。
サッカーを本格的に始めたのは、与野市立八幡小学校2年になったとき。地元の少年団である与野八幡サッカースポーツ少年団に入ってプレーするようになったのだ。
「それまでも兄の友達が家に来るんで、一緒にボールを蹴ることは多かったですね。少年団は火・木・土の週3回練習で日曜日は試合という感じ。練習は結構、厳しかった記憶があります。ヘディングは痛いし、最後にトラック5周走らないといけないし(苦笑)。正直、走るのが苦手だったんで辛かったです」と川島は当時の率直な思いを口にする。
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