コラム

ポジションが変わらない息子

2012年03月06日

池上正さんが子どもに対する悩みや、保護者・コーチの子どもを取り巻く大人に関する疑問や悩みに答えるこのコーナー。今回のお悩みは「ポジションが変わらない息子」です。

◎試合(試合で修正したい悩み)

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(質問者:小学4年生の保護者)

小3からサッカーを始めて今は小4。ポジションがセンターバックから変わりません。試合によっては息子以外は変わりますが、息子はいつもセンターバック。息子はセンターバックをさせるなら俺しかいないぐらいの気持ちで最近は思い始めているようですが、時には「俺も点を決めたい」という気持ちがあり、前にドリブルで持っていきシュートしたりと、ここ最近するようになりました。すると、チームメイトから前に出てくるなとかボールをくれないといった状況が多々あるようになりました。親として息子にどのようにアドバイスしたらよいでしょうか?

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子どもがどうしたいのかを聞いてみよう。
言葉を与えるのではなく引き出して

 基本的に、小学生年代でポジションを固定するのはいいことではありません。

 日本では、足が速ければトップ、体が大きいとゴールキーパーというように「今見える能力」だけを見て、ポジションを決めてしまう傾向があるようです。本来なら、目に見えない潜在能力を引き出すことが肝心なのですが。とはいえ、親の立場からコーチにそのことを進言してしてしまうと、ぎくしゃくする可能性が大きく難しいことでしょう。

 親の立場からお子さんにアドバイスするとしたら、子どもの考えを聞いてみることです。「他のポジションをやってみたいの? だったら、コーチにそのポジションをやりたいって自分で話してみたら?」と助言しましょう。親の考えを述べても結構です。ただ、押し付けないように。あくまでもその子が本当に他のポジションをやってみたいかどうか。そこが肝心です。そのことをよいきっかけにして、さまざまなことを話し合えると良いですね。

 また、前に出てシュートを打つことは悪いことではありません。非常に良いことです。「こないだの試合、あそこで前に出ていったね。どう考えて前に出たの? あのプレー、どう思う?」そんなふうに尋ねてください。「チャンスだと思った」と言えば、「そうだね。チャンスだと感じたらどんどん前に出たらいいよ」と言ってもいい。ただし、指導者がどう思うかは別です。

 加えて、他の子から批判的な言葉があったのだとしたら、こう助言してみてはどうでしょう。「チームメイトと話し合ったら? 自分はこう考えていると話して、君が前に出たところを一時的にどうカバーするとかも話し合えばいいよ」

 アドバイスと言うと、私たち大人は言葉を与えることばかりに執心しがちですが、子どもの言葉を引き出すことのほうが重要です。ぜひそのことを心にとめて寄り添ってあげてください。

プロフィール

池上 正(いけがみ・ただし)

1956年大阪生まれ。大阪体育大学卒業後、大阪YMCAでサッカーを中心に幼年代や小学生を指導。02年、ジェフユナイテッド市原・千葉に育成普及部コーチとして加入。同クラブ下部組織の育成コーチを務める。03年より小学校などを巡回指導する『サッカーおとどけ隊』を開始、千葉市・市原市を中心に190カ所におよぶ保育所、幼稚園、小学校、地域クラブなどで延べ40万人の子どもたちを指導した。2010年1月にジェフを退団。同年春より「NPO法人I.K.O市原アカデミー」を設立。理事長としてスクールの運営や指導、講習会、講演をこなすかたわら、大学や専門学校等で講師を務めている。2011年より京都サンガF.C.アドバイザー、12年2月より京都サンガF.C.ホームタウンアカデミーダイレクターに就任。08年1月に上梓した初めての著書『サッカーで子どもをぐんぐん伸ばす11の魔法』(08年・小学館)は、11年12月現在で7万部に迫るベストセラー。11年9月には指導現場で、その実践例を大公開した『サッカーで子どもの力をひきだす オトナのおきて10【DVD付き】』が発売。U-12の育成に携わる指導者や保護者には必見のDVD付き書籍となっている。

近刊情報

『サッカーで子どもの力をひきだす オトナのおきて10【DVD付き】』

指導者や保護者から多くの支持を得ている『サッカーで子どもをぐんぐん伸ばす11の魔法』の著者・池上正氏が普段からよく使う象徴的な言葉(フレーズ)を取りあげながら、どのように子どもと接すればいいのか、言葉をかければいいのか、子どもとの距離のとり方……子育てやサッカー指導に悩む方々の具体的な解決策として、 “オトナが守るべき10のおきて”を伝授します。

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