コラム

かんしゃく持ちの息子にどう対応する?

2012年05月29日

池上正さんが子どもに対する悩みや、保護者・コーチの子どもを取り巻く大人に関する疑問や悩みに答えるこのコーナー。今回のお悩みは「かんしゃく持ちの息子にどう対応する?」です。

◎自宅(ピッチ外での子育ての悩み)

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(質問者:小学3年生の保護者)

3年生の母親です。ひとりっ子の息子はチームではゴールゲッターでがんばっています。でも、リードされたり、あまり上手ではない仲間がミスをすると、すぐカッとなってしまいます。自分勝手に強引にドリブルを続けたりと、ひとり相撲のような感じになってしまいます。「どうしてそんなふうに感情的になるの? サッカーはひとりでやるスポーツじゃないよ」と叱っても、毎試合同じことのくり返しです。こちらも感情的になってしまうのでまずいなあと思いつつ、どう対応したら息子が冷静にプレーできるようになるのか悩んでいます。そのうちチームから孤立してしまうのではないかと心配でもあります。

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「仲間は君をどう思っているのかな?」
リスペクトする大切さを考えさせよう

 お母さんがご自分でもわかっているように、感情的になっている子どもに「カッカするな!」と大人が感情的に叱っても何も変わりません。
  「リードされたり、あまり上手ではない仲間がミスをするとすぐカッとなる」ということを修正したいわけですが、こういうときは一度目の前にある課題から視線をずらしてみることをおすすめします。

 まずは、試合が終わって自宅に戻り落ち着いたころを見計らって話してみましょう。例えば、こんな言葉で切り出します。「世の中ってうまくいかないことっていっぱいあるよ。うまくいかないとイライラしちゃうかもしれないけど、イライラしても解決できないよね」
  そして、お母さんならご自分がPTAや勤務している会社などで、物事がうまく進まないときにどんなふうに気持ちを切り替えているのか、またはどんなふうに解決していったのかを話してあげてください。そのような比喩的な表現をしてあげたほうが耳を傾けてくれます。

 そこから、チームメートと息子さんのかかわりへと話を広げていくのです。「どうして怒っちゃうのかな?」と尋ねたときに、子どもはよく「だって、あいつが下手なんだもん」などと言います。そこで初めて「じゃあ、他のみんなは君のことをどう見てるのかな?」と聞いてみてください。「うまいけど自分勝手にプレーする仲間には、もう協力したくないなって思ってるんじゃないかな」とお母さんの意見として話してもよいでしょう。

 プロの選手でも感情的になりやすい人間はいます。オシムさんはそういった場面に出会ったとき「チームメートはお前のことをどう見てるの?」と問いかけていました。仲間をどうリスペクトするかを考えられないプレーヤーはどこまでいってもダメだということを言いたかったのだと思います。

 とにかく大人が感情をぶつけないことです。子育てもうまくいかないことはいっぱいありますね。すぐに結果を求めず、その子が自分の感情とどのように付き合っていくのか、根気強く見守ってあげてください。そして、少しでも抑えようという態度が見え隠れしたら「進歩したね」と声をかけましょう。

プロフィール

池上 正(いけがみ・ただし)

1956年大阪生まれ。大阪体育大学卒業後、大阪YMCAでサッカーを中心に幼年代や小学生を指導。02年、ジェフユナイテッド市原・千葉に育成普及部コーチとして加入。同クラブ下部組織の育成コーチを務める。03年より小学校などを巡回指導する『サッカーおとどけ隊』を開始、千葉市・市原市を中心に190カ所におよぶ保育所、幼稚園、小学校、地域クラブなどで延べ40万人の子どもたちを指導した。2010年1月にジェフを退団。同年春より「NPO法人I.K.O市原アカデミー」を設立。理事長としてスクールの運営や指導、講習会、講演をこなすかたわら、大学や専門学校等で講師を務めている。2011年より京都サンガF.C.アドバイザー、12年2月より京都サンガF.C.ホームタウンアカデミーダイレクターに就任。08年1月に上梓した初めての著書『サッカーで子どもをぐんぐん伸ばす11の魔法』(08年・小学館)は、11年12月現在で7万部に迫るベストセラー。11年9月には指導現場で、その実践例を大公開した『サッカーで子どもの力をひきだす オトナのおきて10【DVD付き】』が発売。U-12の育成に携わる指導者や保護者には必見のDVD付き書籍となっている。

近刊情報

『サッカーで子どもの力をひきだす オトナのおきて10【DVD付き】』

指導者や保護者から多くの支持を得ている『サッカーで子どもをぐんぐん伸ばす11の魔法』の著者・池上正氏が普段からよく使う象徴的な言葉(フレーズ)を取りあげながら、どのように子どもと接すればいいのか、言葉をかければいいのか、子どもとの距離のとり方……子育てやサッカー指導に悩む方々の具体的な解決策として、 “オトナが守るべき10のおきて”を伝授します。

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