長期離脱中に中心選手じゃなくなった
2012年10月30日
メンタル/教育池上正さんが子どもに対する悩みや、保護者・コーチの子どもを取り巻く大人に関する疑問や悩みに答えるこのコーナー。今回のお悩みはケガで戦列を離れていたお子さんのサポートについてです。
◎自宅(ピッチ外での子育ての悩み)
(質問者:小学5年生の保護者)
4年生のときにケガをし、練習を2ヵ月半休みました。復帰してからもなかなか本調子にはならず試合は4ヵ月半休みました。その後、きちんと試合にも復帰してから5ヶ月経ちました。今では病院からも完全OKがでて、からだ自体には何の問題も無いのですが、以前と同じようなプレーができなくなっています。それまでチームの中心選手として活躍したくさん得点を決めていたのですが、休んでいる間に息子よりも上手な子が入り、ほかの選手も成長し今では自信が持てず、プレーにも迷いがあるようです。
本来できていた積極的なプレースタイルに戻るにはどうしたらよいのでしょうか。本人も辛いと思いますので、何かサポートできることがあればと思います。
親のほうが焦らないこと
何も言わずに見守ろう
ケガや故障をきっかけに、サッカーをやめてしまう子は少なくないようです。その主な原因が、「プレーが戻らない」「(チーム内での)元の立ち位置に戻れない」といった焦りや喪失感ではないでしょうか。
さて、お子さん自身はこの状況が辛いのでしょうか? それとも、休んでいたから仕方ないと思っているのでしょうか? 一度、気持ちを聴いて、もし焦っているようなら「大丈夫だよ。君のサッカー人生は始まったばかりだよ」と言ってあげてください。
ただ、ご相談に「それまでチームの中心選手として活躍したくさん得点を決めていたのですが」とあります。文面から察するに、親御さんのほうがわが子以上に焦ってはいないでしょうか?
どんな年代でも、試合に出ていなければ、試合勘はなくなっていきます。合計すると、1年近く試合に出ていないのだから、以前のように活躍できないのはある意味仕方ないことです。しかも、その間、ほかの子はトレーニングを積んで上手くなっていきます。チームメイトは心も体も成長しているのです。
ここは、焦らないことが肝要です。元に戻るのは時間がかかります。ですので、まずはサッカーを楽しませてあげてください。彼のサッカー人生は、まだ入口です。息子さん自身が、以前のように中心選手として活躍できないギャップをもし感じているのであれば、そのために気持ちを腐らせるのではなく、前向きな気持ちで過ごせるようフォローしてあげましょう。
それには何も言わず身守ること。心の安全基地になり、応援団に徹してください。
「あんなに活躍していたのに」などと言ってはいけません(本来なら思ってもいけませんね)一番そう感じているのは本人です。大人のほうがきちんと感情をコントロールしましょう。
子どもが懸命にサッカーをする姿を見るのは楽しいものです。活躍すれば、なおさらでしょう。でも、子どもがすでに楽しいと感じていなくても、プレーを見たいでしょうか? 違いますよね。
もし「サッカー以外のことをやりたい」と言えば、「好きなことしたらいいよ」と送り出してあげてください。その後、またサッカーに戻ってくるかも知れません。
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