体が小さく食が細い

2012年11月06日

コラム

池上正さんが子どもに対する悩みや、保護者・コーチの子どもを取り巻く大人に関する疑問や悩みに答えるこのコーナー。今回のお悩みは食が細く体の小さなお子さんについてのお悩みです。

◎自宅(ピッチ外での子育ての悩み)

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(質問者:小学3年生の保護者)

 技術的なことは正直下手だと思いますが、サッカーは大好きなようです。しかし、幼いころから食が細いというか、食べるのも遅く食に興味がないようで、ずっと悩まされてきました。おかげで体が小さいのでよくふっとばされています。やはりサッカーのような激しい、体力を使うスポーツは強いカラダづくりが資本だと思っています。本当にサッカーを楽しそうにやる息子を見るのも好きなので、自分にできるサポートはやはり体調管理や食事を考えたものを作ってやることと思い、料理本なども参考にして、工夫しているのですが、半分くらいしか食べてくれません。
何かいいアイデアというか、似たようなお子さんをご存知でしたら何かアドバイスお願いします。

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いかにお腹をすかせて
たくさん食べられる状態にするかを考えよう

 食が細いわが子のために料理本をみて研究されているとのこと、一生懸命な親御さんの気持ちはきっと息子さんに通じていると思います。

 私は栄養の専門家ではないので詳しいアドバイスはできませんが、これまで出会った子どもたちの様子を見ていると「正しい時間」に「適度な運動」をしていれば、自然とお腹がすいて食が進むようです。
 要するに、夜遅くまであまりにハードなトレーニングをして、9時や10時に夕食になってしまうと、空腹を通り越して疲れ果てているので食事をする元気が残りません。夕食が遅いと、朝食までの時間が短くなるので、お腹が空かずあまりに食べずに学校へ行ってしまうということになりかねません。

 ですので「食べる→動く→お腹がすく→食べる」のサイクルが、それぞれよりよい時間になされると良いでしょう。また、一度にたくさんの量を食べられないのなら、回数を増やせして少しずつ食べる工夫をしてください。例えば、練習後におにぎりを食べたら、シャワーを浴びて宿題をしてから、少しごはんを減らしておかずをたくさん食べる、といったように。もちろん、甘いお菓子などは控えたほうがいいですね。

 私の娘は高校生のとき、朝ごはん抜きで学校に行くような生活をしていました。そこで、ある時期、私は一緒に早起きして早朝散歩に行くことにしました。仕事で午前様になっても早起きして付き合ったら、そのうち朝食をモリモリ食べるようになり、貧血も治りました。美味しいもの、体にいいものを与えることは大切ですが、いかにお腹をすかせてたくさん食べられる状態にしてから食卓につかせるか、ということも考えてみてはいかがでしょうか。

 最後に、サッカーの視点からお話をしましょう。
「小さいからフィジカルが弱い。だから食べないとダメ!」と言い過ぎていませんか? 「体が小さいのでよくふっとばされています」とありますが、ふっとばされるのは「小さいから」という理由だけでしょうか? 小さく俊敏なことを武器にすることもできます。小さいなら小さいなりのプレーがあると私は思います。

 例えば、オシムさんが監督をしていたころのジェフは、現FC東京の羽生選手など、小さくて細い選手がチームの柱として活躍していました。世界と戦うたびに、日本人のディスアドバンテージとして体格差が挙げられますが、例えばマンチェスターユナイテッドの香川選手は日本人のなかでも小さい方です。

 そういったこともお子さんと話しながら、少しずつ食べられるよういろいろなことを試してみてください。

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