【TOMAS CUP 第29回東京都選抜少年サッカー大会】決勝レポート

2013年11月05日

第11ブロック選抜(町田市、多摩市、稲城市)がPK戦を制し優勝に輝く!!


 11月2日(土)、3日(土)の2日間に渡り「TOMAS CUP 第29回東京都選抜少年サッカー大会」が府中少年サッカー場で開催され、町田市、多摩市、稲城市の第11ブロック選抜(以下、11B)がPK戦の末、江戸川区、葛飾区の第2ブロック選抜(以下、2B)を下し優勝を遂げた。

 本大会は、東京都全域を15のブロックに分け、それぞれのブロックから選抜された22名の選手たちによって競われる。優勝した11Bの13番・小林優斗くんに感想を求めると「レベルの高い選手たちの集まる大会なので、簡単に得点することはできないと思っていました。予選リーグでも大差になる試合は少なく、どの試合もわずかの差で決まっていました。僕もゴールを決めたかったけれど、得意のスピードを活かすことのできるスペースもなく、狭く窮屈に感じました」と話をしてくれた。

 小林くんの言葉には、この大会を特徴付けているふたつのポイントが出てきた。ひとつ目は、先にも書いたが選抜大会ということ。11Bの古川監督は「大きな大会で勝ち進むことができず、いつも初戦で敗退してしまうようなチームに所属している選手からすれば、実力のレベルが近い者で集まる選抜チームは、経験値を積む機会になります」とセレクトされた選手のメリットを話す。

 一方で惜しくも選外となった選手に対しては「選ばれた子どもが所属チームに戻ってから、選抜大会での経験を話す機会があると思います。選ばれなかった子どもは、そのときに感じた羨ましさや悔しさを良い刺激に変えて欲しいんです」とエールを送った。

 ふたつ目のポイントは、少年サッカーコートのサイズでの11人制というレギュレーションにある。近年、ジュニアサッカーの主要大会では、全日本少年サッカー大会が8人制へと移行し、国際大会へと通じるダノンネーションズカップも8人制だ。都内の大会では、さわやか杯東京都少年サッカー大会も11人制ながら、成人サイズのフルコートで開催されている。そのような状況を見慣れた目には、この大会は狭苦しい印象を受けたのだが、指導者たちはどのように感じていたのだろうか?

「確かにスペースに窮屈さを感じます。広ければ広いほうがやりやすい。けれども、僕は8人制よりも11人制の方がサッカーという感じはします。8人制は少ない人数でゴールまで持っていくこともできますが、11人制では3人、4人が攻撃、守備の双方で連動する必要があるので、ジュニアを卒業してジュニアユース年代での11人制に速やかに移行するためには悪いことではないと思います」と11Bの古川監督。

 準優勝した2Bの伴監督は「都内の指導者や子どもたちは、さわやか杯の11人制を経験しているので人数に違和感はないと思いますが、やはりコートのサイズは狭いと感じますね。このような自由が利かないときには、守備をサボったほうが負けてしまうんです。素早いディフェンスでプレッシャーを掛けていくのが鉄則です」と教えてくれた。

 あらためて決勝を振り返ってみると、このふたつのポイントが、あちらこちらに顔を出していることに気づかされた。

 試合開始から、いわゆる『一進一退の攻防』が続いた。11Bはドリブルで突き進もうにもスペースがなく、連動して対応する2Bのディフェンダーに囲まれて潰されてしまう。その2Bもカウンターを仕掛けるが、11Bが戻り遅れることなく守備陣形を整えるため不発に終わってしまう。実力の伯仲した者同士が集中して臨んでいるファイナルマッチ。どちらのチームのゴールネットもそう簡単に揺れはしない。

 実際に前半のシュートらしいシーンといえば、15分になって、11Bがセットプレーからのチャンスをヘディングで叩きつけた1本だけといってもよいだろう。

 後半になると「22人の登録選手は前半と後半で全員が出場する」との大会規定により、選手が入れ替わる。しかし影響は感じられなかった。前半よりも2Bが前がかりになり、ビッグチャンスとなりそうな裏への抜け出しもあったが、副審のフラッグが上がりオフサイドとなっていた。

 対する11Bは、3人、4人と細かくパスを交わしながら、ボールを落ち着けて突破口を見出そうとするものの、2Bの守備力に「前に進むことができなかった。普段なら、もう少し高い位置まで攻め込むことができていたのに、低い位置からシュートを打たされてしまっていた」とベンチからもゴールは遠く感じていたようだ。

 後半もスコアレスのままで終了し、延長に突入するが、わずか5分ハーフでの延長では決着がつかず、試合の行方はPK戦へと委ねられた。

 先攻の2Bは1人目のキッカーが外し、いきなり苦境に立たされるものの、11Bも2人目のキッカーが外して1対1のイーブンに。しかし、2Bは3人目のキッカーが決められず、11Bが3人目、4人目ともにゴールしたため、4人目の終了時点で11Bに1点のアドバンテージが生まれた。

 次ぐ5人目は、外した時点で負けが決まる重圧のなか、2Bのキッカーはきっちりとゴールを決め、いよいよ11Bの番となる。決めたら優勝が決まる。キッカーは冒頭の話にも出てきた13番・小林優斗くんだ。ゴールキーパーの12番・丸山虹樹くんから直接手渡されたボールをペナルティーマークにセットすると、ためらうことなく足を振り抜いた。ボールはゴールマウスへと吸い込まれていく。その瞬間、11Bのメンバーから歓喜の声があがった。

「最後だから『当たって砕けろ!』という感じだったけど緊張していました。でも、マル(丸山くん)からボールを渡されたときには『絶対に決めてやる!』って思いました」と小林くんは、そのシーンを振り返る。

「『大丈夫だ。落ち着け!』って祈りを込めてからボールを手渡しました。その願いが伝わったんだと思います。ただ、正直に言うと、僕も緊張していて『早く終わってほしいな』と思っていました(笑)。でも、PKでは見せ場を作って、優秀選手を狙っていました」と丸山くんは笑顔を見せた。

 前後半の40分、さらには延長の10分間で、攻撃面はスペースがないことに手を焼きながらも、時には3人、4人と連動しながら対応し、守備面では素早くボールホルダーに寄せていきプレッシャーを掛け続けた両チーム。参加選手全員が、各ブロックの代表選手としてのプライドで臨んだファイナルと呼ぶにふさわしい一戦だった。

 なお、優勝した11Bは、12月7日(土)、8日(日)に、ひたちなか市総合運動公園 陸上競技場・スポーツ広場(茨城県ひたちなか市)で開催される「第24回関東選抜少年サッカー大会」に出場する。

■第11ブロック選抜・古川将大監督のコメント
 決勝では、ギャラリー(今大会に出場した全選手がピッチの周りで観戦している)の前でプレーをする経験が少ない選手は、緊張してボールが足につかなかったり、慌てて周りが見えずにボールを失ったりしていたようです。
 この大会を振り返ってみると、どのブロックも、チームという単位ではなく、選手一人ひとりの「個の技術」が際立っていたように感じました。その「個の技術」をチームとして発揮することができたら強いチームになるんでしょうね。
 きっと、いつもとは違うスタイルのサッカーをしている選手もいたと思います。それでも、自分の持っている技術をチームの必要としている場面に合わせて発揮することができる。子供たちには、そんな強い選手になって欲しいと思います。

(文・写真●山本浩之)

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