成長著しいタイサッカー ジュニア年代から見るその指導法とは!?【前編】
2013年11月09日
コラムリーグ間提携や複数のクラブ間提携など日本サッカーとの関係が深まっているタイサッカー。今季のACLでは、ブリーラム・ユナイテッドがベスト8に進出するなど注目度が増している。育成年代に目を向ければ、2011年にスペインで開催されたダノンネーションズカップ世界大会で、U-12日本代表として出場した川崎フロンターレU-12はU-12タイ代表に敗れた。タイの子どもたちは足元の技術がしっかりしており、見事なパスワークで日本代表を翻弄した。躍進を続けるタイのU-12世代では、たとえば、ボールを「止める」「蹴る」という技術についてどのように考えて指導をしているのだろうか。2012年に埼玉スタジアムなどで開催された『埼玉国際ジュニアサッカー大会2012』でU-12タイ代表の指揮を執ったソムサク・センシャウワニット氏や、タイTVメディアのタヌ・クナタム氏らに話を聞いた。
文●鈴木康浩 写真●編集部
※『ジュニアサッカーを応援しよう!Vol.26秋号』P47-50より転載
「止める」「蹴る」といった基礎技術を最も重視
――日本のU-12世代ではボールを「止める」「蹴る」という技術を重視して指導しています。タイのU-12世代は足元の技術についてどのように捉えているのでしょうか。
センシャウワニット(以下ワニット) もちろんたくさんチームがあるので指導者ごとに多少考え方は異なってきますが、プロチームの下部組織であるアカデミーのチームでも、一般のクラブチームでも、基本的にボールを「止める」「蹴る」といった基礎技術は最も重視して指導していますね。
――たとえば、日本ではトラップをするときに「相手ディフェンダーがいない場所にボールを置きなさい」というような指導をするのですが、タイの場合はどうなのでしょう?
ワニット 常に実戦を意識しないとトレーニングの意味はありませんから、日々のトレーニングではまず相手ディフェンダーのポジションの状況などをよく見て、相手がいない場所にトラップをするように指導しています。これはタイで一般的に指導されているかどうかわかりませんが、私はこのナショナルチームの子どもたちに、トラップをするときの足の運び方や、適切な体の向きまで細かく指導していますよ。
そしてボールを持っている選手は長くボールを保持しないで、相手が寄せてきたらすぐにパスを出すように指導しています。特にこのナショナルチームではその点を徹底しています。一人の選手が長くボールを持ってドリブルを交えてしまうと、周りの子どもがボールウォッチャーになってしまい足が止まってしまう傾向があるのです。すばやくパスを出させてチームでパスを回させることを意識させているのです。
――すぐにパスを出すためには、まず周りをよく見ておかないといけないですよね。
ワニット ええ。ですからボールをもらう前によく周りを見ておいて、できるだけ周りの状況を把握しておかなければいけません。子どもたちには周りをよく見て、そのときに一番いい判断をするように自分の頭で考えさせるようにしています。右も左も味方がマークされている状況ならば、たとえ指導者に「ドリブルはダメだ」と言われていても、そのときはドリブルで前進することもひとつのいい判断ということになりますよね。
――すぐにパスを出すためには、次にパスを出しやすい場所にボールを置かないといけません。
ワニット そうですね。どちらの足でトラップしてもいい場所にボールを置けるように、左右両足を使えるように指導しています。
カテゴリ別新着記事
ニュース
- 「2024ナショナルトレセンU-14(後期)」参加メンバー発表!2024.11.14
- 「Jヴィレッジチャレンジ 2024 powered by シント=トロイデンVV」が開催!2024.11.14
- U-19日本代表、メキシコ遠征参加メンバー発表。湘南ベルマーレ・石井久継も選出で10番を背負う!2024.11.08
- 「U-16日本代表候補 国内トレーニングキャンプ」参加メンバー発表!2024.11.07
フットボール最新ニュース
- 近江高校の躍進を支えた7つの班。「こんなに細かく仕事がある」部員も驚くその内容2024.04.24
- 「三笘薫ガンバレ」状態。なぜサッカー日本代表は個を活かせないのか?2024.04.24
- 【遠藤航・分析コラム】リバプールは何が変わったか。遠藤を輝かせる得意の形2024.04.24
- リバプールがプレミア制覇に一歩リード?「タイトル争いは間違いなく波乱万丈」2024.04.24
- 前回王者マンC、絶対的司令塔の今季CL初出場・初ゴールで勝利。レアルも先勝2024.04.24
大会情報
- 【卒業記念サッカー大会 第17回MUFGカップ 大阪大会】大会結果2024.03.10
- 【卒業記念サッカー大会第17回MUFGカップ 大阪大会】フォトギャラリー2024.03.10
- 【卒業記念サッカー大会 第17回MUFGカップ 愛知大会】大会結果2024.03.09
- 【卒業記念サッカー大会第17回MUFGカップ 愛知大会】フォトギャラリー2024.03.09
お知らせ
人気記事ランキング
- 「2024ナショナルトレセンU-14(後期)」参加メンバー発表!
- 「2023ナショナルトレセンU-13(後期)」参加メンバー発表!【東日本】
- 関東選抜メンバー発表!【関東トレセン交流戦U-15】
- かつて“怪物”と呼ばれた少年。耳を傾けたい先人の言葉
- 「フットサルって足下がうまくなりますよね」。それだけじゃないメリット “重要な決断” が繰り返される価値とは【8月特集】
- 「2023ナショナルトレセンU-13 関東」参加メンバー発表!
- ビルドアップ能力を自然に高めるスモールサイドゲーム。スペインで行われるトレーニングデザインとその意図とは
- 「もも上げクランチ」でキック力を鍛える!/【サッカー専用】小学生のための体幹トレ
- 「JFA 第42回全日本U-12サッカー選手権大会」で輝いた8人の選手たち/ジュニサカMIP
- すぐに「痛い」と言い出す息子…。