成長ホルモンを最大限に活かそう! 子どもたちのスムーズな成長を促す〝食の工夫〟!!【後編】
2013年12月01日
コラム「食わず嫌い」は早めの対策を
最後に、ふたつほど注意点を。ひとつは食卓を子ども主体にしないこと。「これはあの子が苦手だから」「この食べ物が好きだから」と偏った食パターンを作ってはいけません。
偏食は大人になるにつれて少しずつ治っていくものですが、できるだけ早くその改善がなされる方が多くの栄養素をとることができるので、成長にも好影響をもたらします。「食わず嫌い」は早めの対策を。ここでのポイントは、さまざまな食材を使ってみることです。
例えば、いも類なら、いつもじゃがいもばかりを使わず、里芋やさつまいもを入れていく。残すかも知れないけれど、根気強く食べさせるよう努力してください。
もうひとつは、親の好みで偏らせないこと。例えば、親御さんがレバー、牛乳、納豆が苦手だと、これらは日常の食卓に並ばないことが多くあります。しかし、これらの食品は、貧血にならない血液づくりや、丈夫な骨づくりに欠かせません。
中でも牛乳や納豆は、成長期の骨づくりの中心となる食品ですから、冷蔵庫に常備させておくことはとても大事です。未来の子どもの体づくりを担う食事は、ご家庭での食事から始まります。お子様は、給食などご家庭以外でさまざまな食体験をしていますから、好みも変わってきます。1年前は苦手だったけれど、とれるようになったという例はたくさんあります。ぜひ、楽しみながらたくさんのトライを重ねてください。わが子の体づくりはお母さんの協力なしには成し得ないのですから。
■ジュニア期の体づくりに「食の工夫7カ条」
~運動した体に分泌される成長ホルモンを確実に活かす方法~
①運動直後はすぐに補食を→鮭おにぎり&100%オレンジジュース
②多種類の食品を使った夕食→食べやすいワンプレートでもOK
③汁ものを考えるのは最後に→思うようにとれなかった食品を補う
④一度に食べられない子は「分食」を→たんぱく質を先にとる
⑤夜食をとるなら、「軽く、消化しやすい糖質(炭水化物)」→餅などが○、お茶漬けは×
⑥食卓を子ども主体にしない→とにかく多種類の食材にチャレンジする
⑦大人の好みで偏らせない→親が苦手でも子どもの成長に必要な食材は常備する
プロフィール
虎石真弥(とらいし・まみ)
帝京大学スポーツ医科学センター助教
1975年生まれ。専修大学アメリカンフットボール部トレーナーを務めた際にスポーツ栄養に興味を持つ。卒業後に香川栄養専門学校栄養専門過程栄養士科へ。女子栄養大学大学院修士課程栄養学研究科栄養学専攻修了後、現在は慶應義塾大学大学院博士後期課程健康マネジメント研究科スポーツマネジメント専修。2011年度には全国大学ラグビー選手権3連覇を遂げた帝京大学ラグビー部、2年ぶりに箱根駅伝で総合優勝を果たした東洋大学駅伝チームの躍進を支えたスポーツ栄養士として数々のメディアにも取り上げられた。財団法人日本スケート協会ショートトラック科学スタッフも担当。ジュニア世代の栄養指導も行っている。
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