日本代表・柴崎岳選手が考える司令塔としてのビジョン

2014年10月07日

サッカーエンタメ最前線

「自分たちのサッカーを90分間やるのは間違い」

――アギーレ監督になって2試合しかやっていないし、まだ何がやりたいのかわかりにくいのですが、柴崎さんから見てアギーレ監督のサッカーとはどんなイメージでしょうか。

柴崎 印象としては、自分になかった考え方を持っている監督かなと感じました。これまで日本代表というと、バルセロナ的なプレースタイルがありましたけど、そこから脱却しなければいけないと思っています。その点、アギーレ監督のサッカーはカウンターというかリスクを背負わないサッカーだと思います。セーフティーにやるべきところでのミスは好まない。

 理想はドイツのようにポゼッションで崩せて、カウンターもできるハイブリッドなスタイルなのでしょうけど、現在の日本の力では両立は難しい。つまらないサッカーと言われても、勝ちにこだわってはっきりしたサッカーを目指さないといけないのではないかと考えています。

――柴崎さんは「勝てる選手になりたい」と言っていましたが、それはどういう意味でしょうか。

柴崎 鹿島がそうなんですけど、たとえ内容が悪いときにも勝てるサッカーをします。勝つためには汚いプレー、卑怯だなと感じたり、美しくないプレーもときには必要です。僕は「自分たちのサッカー」を90分間打ち出すのは間違いだと思います。0‐0のときと、リードしているとき、負けているときでは、プレーは違います。いつも同じというのはありえない。状況に合ったプレーをすべきだと思っています。

――汚いプレー、美しくないプレーと言われましたが、言い方を変えると状況に合った賢いプレー、リスク計算ができているプレーですね。ただ、それをチームで共有するのも簡単ではないように思いますが。

柴崎 鹿島の場合は、ずっとそういうふうにやってきたので理解している選手が多いように思います。代表だと、個々の考え方が違いますが、それでもそういうプレーが必要でないと考えている選手は少ないと思います。相手にボールを持たれていても、やらせておけばいいという考えの選手もいましたし、幅のある考え方をする選手は代表にもいます。

(>>続きは『フットボールサミット第25回 鹿島アントラーズ サッカー王国のつくりかた』にて)


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