ボランチは「チームの中心に位置するポジション」。バルサに見るボランチの守備コンセプト
2018年01月19日
コラム昨年10月上旬、サッカーサービス社が「U-12ジュニアサッカーワールドチャレンジ2017」におけるFCバルセロナのプレーを分析する講習会が開かれた。テーマは「FCバルセロナと日本のボランチの動き方の比較」。分析を担当したアルベルト・ペレス氏はポイントを「攻撃」と「守備」にわけ、とてもわかりやすく受講者に話をしてくれた。前編では「攻撃時のボランチ」だったが、今回の後編では「守備時のボランチ」について紹介したい。
【バルサ監督インタビューなどコラム多数】U-12ジュニアサッカーワールドチャレンジ2017
取材・文●木之下潤 写真●佐藤博之、Getty Images
攻守の切り替えにおけるFCバルセロナのボランチの考え方
FCバルセロナ(以下、バルサ)のボランチは、攻撃時も守備時もバランスをとったポジショニングを取るのが基本であり、アルベルト・ペレス氏は「それが最優先だ」ともいう。今回は「守備時のボランチ」がテーマだが、現代サッカーにおいては「攻守の切り替え」の場面でもボランチは重要な役割を発揮している。
「例えば、バルサのセルヒオ・ブスケツ選手をイメージしてもらったらわかると思う。彼は常にチームの中心に居続け、決して中央を空けることはない。ボールが自分より前に進んでいる時もチームの真ん中に位置し、その攻撃がダメになった場合も後ろにいて一つの選択肢を確保している。そうすることでボールを左から右、右から左というように動かすことができ、また新たな攻撃を仕掛けることができる。
しかし、それは攻撃だけを考えているからではない。守備のことも意識しているからだ。もし自分も攻撃に加わってボールを奪われた時、チームの真ん中を空けていたら易々と相手チームにボールを前へと運ばれてしまう。そうなった場合もそこに選手がいれば、相手もボールを簡単に前には進められないし、何よりボランチが真ん中にいるのは攻撃の選手たちが守備に戻る時間を作れるから。つまり、素早く守備の陣形を整えられる司令塔でもある」
前編の「攻撃時のボランチの動き方」でも伝えたが、基本はチームの中心に位置していることからボランチの考え方が始まっている。だから、ボランチには攻撃時にも守備時にも高い認知力を必要とする。アルベルト・ペレス氏は「ボランチは攻撃時にも守備を意識し、守備時にも攻撃を意識しながらプレーしなければいけない。そのためには高度な判断力を身につけなければいけない」と強くうったえかけていた。
この「チームの中心に位置している」という発想は、受講者に「サッカーにおけるポジション(今回はボランチ)の考え方とは何なのか」を再考するきっかけになったようだ。世界のサッカーの流れに揺さぶられやすい傾向にある日本サッカーにとって「でも、サッカーとして変わらない考え方やポジションの役割ってあるよね?」という根幹をジュニア年代にきっちり指導しなければならないのだから。
【FCバルセロナ“理想のボランチ像”を体現し続けるセルヒオ・ブスケッツ】
カテゴリ別新着記事
ニュース
- U-15日本代表、クロアチア遠征メンバーを発表!2024.05.03
- 【AFC U17女子アジアカップ インドネシア2024】U-17日本女子代表メンバー発表!2024.04.15
- 「JFAナショナルトレセンU-12関西」が開催!2024.04.11
- 「東北トレセンU-13」が開催!2024.04.10
フットボール最新ニュース
- 近江高校の躍進を支えた7つの班。「こんなに細かく仕事がある」部員も驚くその内容2024.04.22
- 「三笘薫ガンバレ」状態。なぜサッカー日本代表は個を活かせないのか?2024.04.22
- 【遠藤航・分析コラム】リバプールは何が変わったか。遠藤を輝かせる得意の形2024.04.22
- リバプールがプレミア制覇に一歩リード?「タイトル争いは間違いなく波乱万丈」2024.04.22
- 前回王者マンC、絶対的司令塔の今季CL初出場・初ゴールで勝利。レアルも先勝2024.04.22
大会情報
- 【卒業記念サッカー大会 第17回MUFGカップ 大阪大会】大会結果2024.03.10
- 【卒業記念サッカー大会第17回MUFGカップ 大阪大会】フォトギャラリー2024.03.10
- 【卒業記念サッカー大会 第17回MUFGカップ 愛知大会】大会結果2024.03.09
- 【卒業記念サッカー大会第17回MUFGカップ 愛知大会】フォトギャラリー2024.03.09
お知らせ
ADVERTORIAL
ジュニアサッカー大会『2024'DREAM CUPサマー大会in河口湖』参加チーム募集中!! |
人気記事ランキング
- ストップ動作、反転動作に使う筋肉を鍛える!/【サッカー専用】小学生のための体幹トレ
- 栄養も食事量も“バランス良く”/小学校1・2年生向けの一日の食事例
- “早熟タイプ”はプライドの高さに注意? “晩熟タイプ”には他人との比較はNG!? 個々にフォーカスした指導を心がけよう!!
- 「2023ナショナルトレセンU-13(後期)」参加メンバー発表!【東日本】
- 人口450万人の小国・クロアチアから“天才”が輩出され続ける理由
- アンリと同じく”神童”ではなかったハリー・ケイン。世界屈指のストライカーが持つ「努力する才能」
- 「2022ナショナルトレセンU-14 後期(中日本)」参加メンバー発表!
- 「軽い」と言われる選手は重心移動ができていない!? 守備力向上のヒントを探る
- 『JA全農杯チビリンピック2018 小学生8人制サッカー大会』で輝いた7人の選手たち/ジュニサカMIP
- 2019年度「JFAフットボールフューチャープログラム トレセン研修会U-12」参加選手768人を発表!!