チーム動画紹介第76回「大森キッカーズ・サッカークラブ」
2010年02月23日
未分類キャプテンシーをもった子どもの育成を目指して
今回は東京都大田区で活動する大森キッカーズ・サッカークラブの練習にお邪魔して、チーム代表の押山節幸さんにお話を伺いました。
「大森キッカーズ・サッカークラブ」ってどんなチームですか?
設立は1986年、東京都大田区で活動を続けるサッカークラブです。練習は週に2回。水曜日と土曜日。水曜日は平和島ユースセンターの屋内体育施設でミニゲームを中心に行い、土曜日は大森東小学校の校庭で練習をしています。練習試合を組む時には、近隣にある多摩川河川敷のサッカーコートを利用することができるので、活動場所には不自由することなく活動できるクラブです。
チームの指導方針を教えてください。
キッカーズは強さや、勝負にこだわるのではなく、各自の個性を認め合いながらサッカーを楽しむことを目指しています。選手たちはみな、多種多様な個性(オリジナリティ)をもっています。例えば、キックが苦手でも「僕はヘディングが強いんだ」という子もいます。逆に「キックだけは誰にも負けない」という子もいます。その個性を引き出す指導を心がけています。
長い指導歴をお持ちですが、設立当時と比べて指導方法に変化はありましたか?
私が学生だった頃には、サッカーの指導理論を勉強した指導者は、まだ少なく、「たくさん走れ!」だとか、「練習中は水を飲むな!」といった根性主義の部活動が中心でした。いざ自分が教える立場になってみても、自分たちが経験したことしか教えられませんから、そういった精神鍛錬のような練習を繰り返した時期もありました。けれど、ある時、「海外のサッカー指導書に面白いのがあるよ」と知人に教えてもらいました。その本には、「なるほど、こういう教え方もあったんだ!」と唸るような練習方法がたくさん書かれていたんです。そして、サッカーの技術は、根性や気力で向上することはありません。むしろ、子どもたちがボールと触れ合い、ボールに慣れ親しむことで得られると学んだんです。
指導を変えた時、子どもたちはどのように変わっていきましたか?
結果は、急にはでませんでした。ただ、慌ててボールを蹴るようなプレーはなくなるようになりました。次第に、ボールを「蹴る」、「止める」、「運ぶ」ということができるようになっていきました。そして、一番の変化は、子どもたちが非常に楽しそうにサッカーに取り組んでいたことですね。「ドリブルって面白いね」、「ボールを蹴るのって楽しいね」と思ってくれているように感じました。
プレーで特に重視していることはありますか?
「考えてサッカーをする!」ということを重視しています。サッカーは、子どもたちが「ああなのか、こうなのか」と、頭を使って考えて、段々とやり方がわかってくるものです。チームでは、そのために、自分たちで練習方法をさせることもあります。指導者は、練習のテーマだけを与えて、何をやりだすかを観察するんです。適当なことを始めたとしても、「練習テーマはなんなのか、よく考えてみなさい」と促してみます。できてきたら、しっかりと褒めて、気分を盛り上げてあげます。すると、考えてプレーすることが楽しくなります。試合の時であれば、子どもたちがゲームについて話し合う時間を与え、試合後に反省会をさせていますね。次に繋げるための課題を出し合うことで、自分たちで考えるしかなくなります。そして、これは考えると同時に、プレーへの責任感を生みます。しいては、それは普段の行動にもつなげていけるものだと思っています。
今後の目標を教えてください。
どこの組織に行っても、キャプテンになれるような子を育てたいですね。指導者から言われたことだけをやっているようなイエスマンではなく、失敗してもいいから、自分たちで率先して、様々なアイデアを考えて、挑戦して欲しいですね。
編集部コメント
近頃よく耳にするのが、「中学校の部活動での指導者不足」についてのことです。顧問の先生が多忙であることや、専門外の競技を教えることが困難なこともあるようです。まだまだ成長真っ盛りの中学時代に足踏みをしてしまう教え子の様子に歯痒い思いをしているジュニアの指導者も多いのではないでしょうか。
そんな話を押山さんにしてみたところ、「そういう面からも、高学年のうちに自分で考える(理解する)癖をつけることは意味があるようですね」との答えが返ってきました。なるほど、どの年代になってもサッカーの基本は『ボールを蹴る・止める・運ぶ』ですから、小学生の時にコーチから教わるメニューが、何のための練習なのかを理解できていれば、中学生になって、たとえ指導者が不在でも、自分の力で練習を組み立てることができるというわけです。さらに応用力が備われば、各自でアレンジした個性的な練習も生みだされることでしょう。小中学生の考えたオリジナル練習メニューもなかなか面白そうですね。機会があれば、是非取材してみたいところです。
(文● 山本 浩之)
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