チーム動画紹介第79回「FCトレーロス」

2010年07月08日

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パーフェクトスキルの習得を目指した一貫指導

 今回は東京都杉並区で活動するFCトレーロスの練習にお邪魔して、チームの代表である平野淳さんにお話を伺いました。

「FCトレーロス」ってどんなチームですか?

 FCトレーロスは、東京都杉並区の善福寺エリアで活動するチームです。この地域でチームを探している方々が多く、2009年に5・6年生のみでチームを立ち上げました。初年度の選手が卒業後、キッズ~ジュニアユースまで一貫したチームとして、2010年4月から正式にスタートしました。ジュニアユースは明和蹴球倶楽部から改名し、キッズ年代は今後正式な部員募集を9月から行い、4~15歳までの一貫指導を目指します。

チームの指導方針を教えてください。
 このチームでは、中学校を卒業した段階で、高校やクラブサッカーに輩出できる選手育成を目指しています。まずはベースとなる基礎技術をしっかり身につけることですね。そして、※アタッキングサード、ミドルサード、ディフェンディングサードといったフィールドのエリアごとのプレーを成長の指標として、卒業までの各年代で段階的に基礎を習得していきます。

※フィールドを3分割したゾーンのうち、相手ゴール側を「アタッキングサード」、自陣ゴール側を「ディフェンディングサード」、フィールドを3分割したゾーンのうち、真ん中を「ミドルサード」と呼ぶ。

アタッキングサードで習得すべきことは何でしょうか?
 日本の子どもたちに良くありがちなのが、ボール扱いはとてもうまい一方で、ゴールに向かわないことです。このエリアの指導では一人ひとりの発想、ゴールを狙うプレーを養っています。しかし、ゴール前では個人のプレーだけで突破し、ゴールを決めることは容易ではありません。そこで、グループでの連携プレー、つまり、コンビネーションプレーを取り入れていますね。

コンビネーションとはどんなプレーを指すのですか?
 一般的にワン・ツーパスですね、これが相手を抜くために最も効果的な連携の手段。これができることで、1対1の局面で相手と駆け引きができるようになります。パスかドリブルかといった選択肢がうまれることで、個人での突破も可能になります。

では、ミドルサードではどんな指導をするのでしょうか?
 ここではスピードが最も必要です。すばやいタイミングでアタッキングサードまで運ぶことがとにかく大切ですね。ここは数的に互角、もしくは、不利な状況が多いエリア、特に動くことを意識させています。そして、ボールを受ける時も常に前を向いてプレーできることが目標です。

最後に、ディフェンディングサードではどんな指導をしていますか?
 このエリアでは「ポゼッションをしていきましょう」と選手たちに伝えています。このエリアで必要なことは後方でボールを回しながら、ゴールへつながる穴を見つけることです。例えば、ゴール前にフリーの選手がいればロングボールを一気に入れるなど、チャンスを見逃さないことが重要。そして、相手を崩すプレー以外にもうひとつ、“休憩”のためのポゼッションも必要です。攻撃をし続けていれば、前線や中盤の運動量は落ちてきます。そこで、後方でボールを回して一旦プレーを落ち着かせてから、再び攻撃に転じます。これらの使い分けを伝えていますね。

海外でもポゼッションはジュニア年代から行われているのですか?
 5、6年生から徐々にできてくることが多いですね。ただ、それまでには、低学年から基礎をつくる必要があります。低学年のうちは、試合を行う際に2つのエリア(相手のエリアと自分たちのエリア)を意識させます。自分たちのエリアでは少ないタッチ数で数多くパスをまわし、相手のエリアでは自由にプレーするルールを設けます。学年によって理解が異なるので、言葉やルールを簡単なものから徐々に慣れさせます。

試合で意識していることを教えてください。
 やはりサッカーをやっている以上は試合に勝ちたいのは当然だと思います。しかし、勝つ以前に、子どもによってサッカーに対する思い入れやモチベーションには差があるものです。子どもが、サッカーのどんなところに引きつけられるのか。まずは、そこを見つけたいと思っています。僕らコーチがワールドカップの話題を口にしたり、一緒にJリーグの試合を観戦したり。どんな子も、まずはじめはそこから。自分たち以上の実力を持ったチームとも対戦し、上達が実感できればと思います。しかし、どんな練習も、厳しい発言も、まずは、子どもたちがサッカーに夢中な“サッカー小僧”になってからのことです。試合でも練習でもサッカーを好きになってもらうこと意識しています。

編集部コメント

 代表である平野氏が感じている日本人選手の課題は“基本的な技術の低さ”。月1度程度、FCトレーロスを訪れているという、浦和レッドダイヤモンズなどで指導を行ったゲルト・エンゲルス氏も、「日本人はリフティングやジグザグドリブルといったクローズドスキルはあるけれど、人とボールの両方を見ていない」と平野氏に伝えたそうです。
  ワールドカップでベスト16という好成績をおさめた日本代表、しかし、さらに上を目指すにはより多くの課題をクリアしていく必要があります。スタートして間もない、FCトレーロス。しかし、チームが目指すフットボールが、次世代を担う選手たちを飛躍させるきっかけとなることを期待したいと思います。
(文・写真●ジュニサカ編集部)

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