野菜を意識的に食べることで強くなった!? 五輪代表・永井謙佑選手の食エピソード
2012年08月10日
サッカーエンタメ最前線8月20日(月)に『プロクラブを支える“食”ストーリー 名古屋グランパス 勝利の食堂』が発売される。著者は、名古屋グランパスの栄養アドバイザーであり、本誌『ジュニアサッカーを応援しよう!』の「食べて、強くなるサッカーメシ!」やWEBサイト「まみや食堂」などでおなじみの間宮裕子さん。本書では、Jリーグ初の専属栄養士となった間宮さんがプロのサッカー選手は一体、何を食べているのかを選手たちの食エピソードも交えながら語っている。今回は、ロンドンオリンピック決勝トーナメント初戦のエジプト戦にて先制ゴールをし、44年ぶり準決勝進出を決めた立役者である永井謙佑選手の食エピソードを一部紹介したい。
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野菜嫌いも克服する選手
(前略)
寮の食事では、必ず生野菜を出しています。レタスと水菜の葉物に、海藻、ポテトサラダにコーンなど、バリエーションはさまざまですが、毎日欠かさず出しているのがトマトでした。トップ選手に出すサラダはバイキング形式です。なぜ、バイキング形式かと言うと、一人ずつお皿にサラダを盛りつけると、「もっと食べたい」「量が少ない」と言う選手もいるので、食べたいだけ食べられるようにしています。バイキングにはそうしたメリットもありますが、野菜が苦手な選手は少ししか取らないというデメリットもあります。
(中略)
2011年にグランパス入りした期待のフォワードの永井謙佑選手も、プロ入り当時は野菜を意識してたくさん食べていませんでした。栄養指導の面接で、野菜を食べるメリットを説明すると、熱心に聞いてくれて、「食べるようにします!」と宣言してくれたのです。グランパス食堂ではいつでも野菜がいっぱい並んでいますから、簡単に野菜をとる習慣がついたようです。久しぶりに永井選手に会ったときに、顔がシャープになって、身体も引き締まって見えたので、「変わったね!」と言うと、体脂肪が落ちて、キレがよくなり、継続的に動けるようになった、と。「何か変えたの?」と聞くと、「野菜をたくさん食べるようになりました」と教えてくれました。確実に野菜の効果は選手の身体やスタミナに表れると改めて実感しました。これからの永井選手の活躍。ますます、楽しみです!
また、玉田(圭司)選手は、小学生のときには、牛乳が苦手だったそうです。においがダメで、給食に出る牛乳も友達にあげていたのだそう。ところが、このことを聞いた当時のコーチに、「牛乳は飲まなきゃいけないよ。牛乳を飲まないと、サッカー選手になれないぞ」と言われてしまった。どうしてもサッカー選手になりたいという気持ちがあった玉田選手は、コーチのひとことを聞いて以来、それまで一切飲めなかった牛乳を飲もうと、努力を始めたそうです。
初めは鼻をつまんで飲んで、そのあと、鼻をつままないで、一口だけ飲み、二口だけ飲み……。それを続けていたら、だんだん飲めるようになったのだとか。今では、玉田選手、毎日牛乳を飲んでいるんです。
トップで活躍を続けている選手は、「食べものの好き嫌いが少ない」。たとえあったとしても、どこかの段階で必ず克服しています。
苦手なものがあっても、「苦手だから食べない」という選手と、「苦手だけど何とか工夫して食べられるようにする」という選手ではあきらかに違いが出てくるように思います。たかが好き嫌いじゃないかと思うかもしれませんが、この姿勢は、食事だけでなく、サッカーの技術、練習、私生活にまで及んでくるように私には思えます。
苦手な食べ物も自分なりに工夫して食べられるようになった選手は、サッカーにおいても、苦手を克服する努力を続けているに違いないのです。
※『名古屋グランパス 勝利の食堂』より一部抜粋(著者●間宮裕子)
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永井選手のみならず、プロ選手といえど、サラダや牛乳が苦手という選手はいる。そう考えると、プロサッカー選手も身近に感じられるのではないだろうか。だが、苦手なものを工夫して食べられるようにする努力と、サッカー選手としての根本的な強さの双方を兼ね備えているというのが、プロ選手のすごいところ。では、一体、プロサッカー選手は普段、何を食べているのか? 本書は、そうしたサッカーファンや食にこだわる人の声に応える1冊。ダイエットや貧血対策、ケガ防止、強い体作りの秘訣も満載で1冊で2度楽しめる書籍となっている。
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