どうしたら一歩引いて観られますか?
2012年09月18日
メンタル/教育池上正さんが子どもに対する悩みや、保護者・コーチの子どもを取り巻く大人に関する疑問や悩みに答えるこのコーナー。今回のお悩みは一歩引いて観ることに悩みを打ち明けていただいた親御さんからのご相談です。
◎試合(試合で修正したい悩み)
(質問者:小学2年生の保護者)
今まで出された池上さんの本を読んで考えを改め、小2の息子の試合の際にはそれまで檄を飛ばしたり叱ったりうるさくしていたけれど、努めて静観していました。しかし、息子のプレーを観るたびに、言いたいのをぐっと堪え、タオルで口を押さえて我慢していました。でも、正直ストレスです、その内また堪忍袋の緒が切れそうで心配です。なにか気持ちや見方を転換させて冷静にいられるような方法はありませんか? 観ないのが一番だとは思いますがやっぱり観たいです。言いたいのを堪えるのは苦しいです。本にも親の方がこの世の終わりのような顔をしているとありましたが、まさにそれです。どうしたら楽しく一歩引いて観れるでしょうか?
「本当にこの子のためになることは何か」を
常に考えましょう
ジレンマを抱えている様子が、手に取るようにわかります。
「息子のプレーを観るたびに、言いたいのをぐっと堪え、タオルで口を押さえて我慢していました。でも、正直ストレスです」 「観ないのが一番だとは思いますがやっぱり観たいです。言いたいのを堪えるのは苦しいです」
いかがでしょうか? 視点がすべてご自分の気持ちをどうコントロールするかの一点になっていますね。
ここは、180度視点を変えてみましょう。
まず「子育て」の意味を考えましょう。相談の方はおそらくお父さんだと思いますが、お父さんが存在する意味は何ですか? 子育てするためですね? 子育ては、わが子が成長したり、よくなっていくために手を差し伸べることです。
だとすれば、親のストレスになるからと、簡単に怒鳴ってよいですか? それまでのように「檄を飛ばしたり叱ったりうるさくして」いけば、言いたいことを言ったお父さんはスッキリするでしょう。でも、それで子どもは伸びますか? 何かよい効果はありましたか? 日本のプロ選手の親御さんのなかには、かなり厳しくされた方もいるようですが、プロになれた理由は、親がうるさくしたからではなく指導者や環境に恵まれるなど他の要素が強いと私は考えます。
まずは、「子どもの成長のためになること」を、ご自分の行動の軸足にしましょう。
例えば、「走れ!」と、コーチや親に怒鳴られて、その一瞬だけ懸命に走ったとします。でも、絶対に長続きはしないし、その子の力にはなりません。「ここで走るんだ!」と、自分で決意して走った瞬間のエネルギーのみが本当の力になるのです。大人に怒鳴られて、怖いからとその通りにプレーする子は、その大人たちの「想定内」のプレーしかできなくなります。大人はニコニコ笑って、「がんばれー」と言っていればよいのです。
そもそも、大人は自分たちが描いた通りに、子どもが成長することを望んでいますね。そして、描いた道から逸れるとイライラし始めます。ですが、子どもは一人ひとり成長速度が違うし、どうなるかわかりません。唯一わかっているのは、自分でつかみ取っていく子が本当の成長を遂げる、ということです。
常に「本当にこの子のためになることは何か」を考えてみてください。そうすれば、わが子をどう見守るべきかが見えてくると思います。
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