体力が無いから歩くのだと指摘されて
2012年12月25日
コラム池上正さんが子どもに対する悩みや、保護者・コーチの子どもを取り巻く大人に関する疑問や悩みに答えるこのコーナー。今回のお悩みは体力づくりについてのご相談です。
◎自宅(ピッチ外での子育ての悩み)
(質問者:小学3年生の保護者)
うちの息子はFWをやっているのですが、敵ボールになると「歩いていないで速く戻ってボールを取りに行け」とコーチに言われることがあります。しかし、ルーズボールに対してはダッシュでボールを奪いゴールを決めることが多いです。子どもなりに緩急つけてサッカーしているように見えます。コーチは全員に対して「体力が無いから歩くことが多いんだ」と言うことがあるのですが、走りこみや、マラソンをして体力づくりをしたほうがよいのでしょうか?
スタミナに問題があるわけではありません
場面ごとに勝ち負けが出てくる対人練習を増やすべき
敵相手ボールになると「歩いていないで速く戻ってボールを取りに行け」とコーチに言われる、とありますが、これは全員があまり守備をしていない状態のようです。選手が守備をしないというのは、体力や精神論よりもトレーニングに問題があるような気がします。対面パスやコーンドリブルなどのようなクローズドスキルばかりをやっていませんか? 対人練習をしていれば、守備の意識は高くなります。何より、練習の中でも勝ちたいので、ボールを取られたら奪い返しにいくはずです。
そもそも試合中、場面場面の競り合いで相手にすべて勝つことはできません。私がジェフ時代に一緒に仕事をしたブラジル人コーチのジョゼが、ブラジルのことわざみたいなものを教えてくれました。それは「人は一生勝ち続けることはできない」というものです。よくサッカーの現場で引用される言葉だそうで、勝ったり負けたりを繰り返すのがサッカー(スポーツ)という意味だそうです。一方で日本人は、負けてはダメ、勝ち続けなければダメ、という考え方が根強いようです。そのため、「体力が無いから歩くんだ」といった指摘も出てくるのでしょう。
小学生年代で、走り込みやマラソンなど必要ありません。そんな時間があるのなら、サッカーボールを使った遊びをしたり、質の高いサッカーを観るほうが上達につながります。なにより、どの世代でもトレーニングをやり過ぎると体に良くありません。練習は時間や量ではなく「質」を高めることを目指してほしいと思います。
カテゴリ別新着記事
ニュース
- 「2024ナショナルトレセンU-14(後期)」参加メンバー発表!2024.11.14
- 「Jヴィレッジチャレンジ 2024 powered by シント=トロイデンVV」が開催!2024.11.14
- U-19日本代表、メキシコ遠征参加メンバー発表。湘南ベルマーレ・石井久継も選出で10番を背負う!2024.11.08
- 「U-16日本代表候補 国内トレーニングキャンプ」参加メンバー発表!2024.11.07
フットボール最新ニュース
- 近江高校の躍進を支えた7つの班。「こんなに細かく仕事がある」部員も驚くその内容2024.04.24
- 「三笘薫ガンバレ」状態。なぜサッカー日本代表は個を活かせないのか?2024.04.24
- 【遠藤航・分析コラム】リバプールは何が変わったか。遠藤を輝かせる得意の形2024.04.24
- リバプールがプレミア制覇に一歩リード?「タイトル争いは間違いなく波乱万丈」2024.04.24
- 前回王者マンC、絶対的司令塔の今季CL初出場・初ゴールで勝利。レアルも先勝2024.04.24
大会情報
- 【卒業記念サッカー大会 第17回MUFGカップ 大阪大会】大会結果2024.03.10
- 【卒業記念サッカー大会第17回MUFGカップ 大阪大会】フォトギャラリー2024.03.10
- 【卒業記念サッカー大会 第17回MUFGカップ 愛知大会】大会結果2024.03.09
- 【卒業記念サッカー大会第17回MUFGカップ 愛知大会】フォトギャラリー2024.03.09
お知らせ
人気記事ランキング
- 「2024ナショナルトレセンU-14(後期)」参加メンバー発表!
- かつて“怪物”と呼ばれた少年。耳を傾けたい先人の言葉
- 関東選抜メンバー発表!【関東トレセン交流戦U-15】
- 「2023ナショナルトレセンU-13(後期)」参加メンバー発表!【東日本】
- 「2023ナショナルトレセンU-13(後期)」参加メンバー発表!【西日本】
- ビルドアップ能力を自然に高めるスモールサイドゲーム。スペインで行われるトレーニングデザインとその意図とは
- 「フットサルって足下がうまくなりますよね」。それだけじゃないメリット “重要な決断” が繰り返される価値とは【8月特集】
- すぐに「痛い」と言い出す息子…。
- 【第37回全日本少年サッカー大会】三重県大会 決勝レポート「最後まであきらめない気持ちで試合終了間際に得点した、大山田サッカースポーツ少年団が優勝!」
- 【ダノンネーションズカップ2014 in JAPAN】決勝大会 大会フォトギャラリー