受け継がれるべき志を知る ジュニアサッカー パイオニアたちからのメッセージ
2013年02月05日
インタビューサッカーの面白さを
伝えたい、味わってほしい
――先生、先ほど枚方方式とおっしゃいましたけど、そういう形でされていった中で、日本の教育に対する、異議申し立てをしたいというお考えがあったのではないかと思うのですが。それはサッカーのみならず学校の教育についても。
「僕はものすごい、見かけによらず、神経質なんですよ。だから子どものころに自分ができることを十分出せなかったわけです。気を遣って。それもあって、僕の場合はおとなしい子どもでもできるようにという思いがあるんです。だから、よそに行ったらできないような子でもうちでやったらそれなりに上手くなると。上手くなったらそれは面白いからいいやないかと。
僕の本当の考えを言いますと、ゲームですから勝たないかんのですよ。これはちょっと誤解されているんですけども。勝敗度外視していることは一切ないんですよ、ないんですけど、一番やりたいのはサッカーの面白さをみんなに伝えたいと、味わってほしいと。で、上手くなったら非常にいいことですよと。そういうことが目標ですわな。だからそれは底辺の問題であって、上の問題ではないですね。上の問題と関係するとすれば、僕の場合は子どもたちがすべてのことを一応身につけて、いろんなやり方を一通り教える。だからある大学に入ってこれはこうやってと言われたらそうやっていける、Jリーグに入ってそう言われたらそうやっていけるというふうに、どんな色にでも染まるようにしているだけです。基本的なことをね。基本というのはパターンやフォームじゃなくてね。そういう目的でみんなサッカー面白いよということなんです。なるべく怒るとかしごくとかじゃなくてね。ただ、体力がないとかそういう問題はありますけど、うちは練習量が少ないんでそれは仕方ないんです。週3日ぐらいでね、毎日2時間3時間足らずで狭いところでやりますから。だから優先順位があって、やっぱり技術、戦術、感覚的なことを身につけてということで、シュート練習でも時間短いですからうちの子はシュート力はないですわね、それは仕方ないんですよ。学校サッカーみたいに毎日やればね、それはできますけど。だから逆に言えば、うちでこのぐらい上手になるのによそはおかしいよと」

現在も幼稚園児からシニアまでが活動を行う枚方フットボールクラブ
――なるほど。しかし全くこれは独自のものですね。学校体育とか、日本の過去のサッカーの指導法、今でこそJFAが技術委員会というのがあってレポート出してトップダウンでこういう指導法というのを出したりしてますけど。そういう中で先生が独自にそういったメニューを考えだされたことは脅威ですね。それはやっぱり創意工夫、ご自分のご経験の中から、しかも病院の外科という大きな責任の伴うところにお勤めになりながらやられていたという。
「うん、だからね、こういうことを言うと誤解されますけど、僕ら外科の医者ですから手術するでしょ、手術するとたまに思いがけないところからびゅーっと血が出るわけね。みるみるわーっとお腹の中が血の海になりますよ。そうすると、おっとなって、顔がまっ青になりますよね、血の気が引いて、もちろんそれはちゃんと対処をするんですけどね。そういうことになった時に、あぁやっぱりサッカーは遊びやなぁと思いますねえ。こういうこと言うとね、何やっ、て意義を唱えた人もおるけどね。だけど、たかがサッカー、されどサッカーでね。やっぱり一生懸命やって。それはやっぱり子どもをうまくしたいという気持ちですね。上手くなったら面白いよということでね。自分がそう思ってるから子どもたちにもそうなってほしいわけですよ」
※『ジュニアサッカーを応援しよう!Vol.3』P154-163より転載(文●木村元彦)
カテゴリ別新着記事
ニュース
-
「2025ナショナルトレセンU-14前期」参加メンバー発表!2025.05.18
-
「女子GKキャンプU-15」参加メンバー発表!2025.05.15
-
【JFA/Jリーグポストユースマッチ 関西学生選抜戦】U-22 Jリーグ選抜メンバー発表!2025.05.12
-
U-15日本代表、クロアチア遠征参加メンバー発表!2025.05.08
フットボール最新ニュース
-
近江高校の躍進を支えた7つの班。「こんなに細かく仕事がある」部員も驚くその内容2024.04.24
-
「三笘薫ガンバレ」状態。なぜサッカー日本代表は個を活かせないのか?2024.04.24
-
【遠藤航・分析コラム】リバプールは何が変わったか。遠藤を輝かせる得意の形2024.04.24
-
リバプールがプレミア制覇に一歩リード?「タイトル争いは間違いなく波乱万丈」2024.04.24
-
前回王者マンC、絶対的司令塔の今季CL初出場・初ゴールで勝利。レアルも先勝2024.04.24
大会情報
-
【卒業記念サッカー大会 第18回MUFGカップ 大阪大会】大会結果2025.03.07
-
【卒業記念サッカー大会第18回MUFGカップ 東京大会】フォトギャラリー2025.03.03
-
【卒業記念サッカー大会第18回MUFGカップ 東京大会】F.Cボノスが逆転勝利で優勝を果たす!<決勝レポート>2025.03.01
-
【卒業記念サッカー大会 第18回MUFGカップ 愛知大会】大会結果2025.02.25
お知らせ
人気記事ランキング
- 「2025ナショナルトレセンU-14前期」参加メンバー発表!
- 「女子GKキャンプU-15」参加メンバー発表!
- 「ワーチャレ予選2025」参加チーム募集開始!【U-12ジュニアサッカーワールドチャレンジ】
- 「2023ナショナルトレセンU-13(後期)」参加メンバー発表!【西日本】
- かつて“怪物”と呼ばれた少年。耳を傾けたい先人の言葉
- 優れたGKに必要な“8つの能力”とは?
- 栄養も食事量も“バランス良く”/小学校1・2年生向けの一日の食事例
- 「2024ナショナルトレセンU-14 前期 」参加メンバー発表!
- 進路妨害
- 【第38回全日本少年サッカー大会】決勝大会 決勝レポート「セレッソ大阪U-12がPK戦の末に激闘を制して初優勝!」