「個」の育成を貫くセゾンFC、エスポルチ藤沢ジュニアユースが中学年代で求める選手像とは?

2013年08月28日

コラム

試合は、勝ち負けよりも、内容で勝負する

ところが、この武器を磨くことを邪魔するものがある。それは勝敗で順位を競う公式戦の存在だ。

「中学1年生から、いきなり公式のリーグ戦がある。選手からしたら試合には勝ちたいという気持ちが強くあるはず。もちろん勝ちにこだわる姿勢は必要なのですが、この時期には、もっと大切しなければならないことがある。それは、さっきも言った武器を磨くことであったり、落ち着いて周囲を広く見ながらサッカーをすることであったり、相手との駆け引きであったりということ。それなのに、子どもたちは、こういった大切なことを置き去りにしてゴールを目指して先を急いでしまう。“点を取られたら取り返す”という気持ちを抑えられない年代だから無理もないけれど、そのまま進んでしまうと、結局なにも身に付かないまま中学を卒業してしまうことになる。

だから、『ゲームのなかで失敗して点をとられてもいい。10回やって全部失敗したらダメだけれど、そのうち1回でも成功すればいいんだから、武器を身につけるために挑戦してみよう』と選手には言っているんです。その繰り返しによって、成功する割合が増えていけば、それが自信に繋がって、いつの間にか自分の武器になっているものです」とセゾンフットボールクラブ・土川コーチは語る。

選手がチャレンジを優先すれば、当然試合の内容が悪くなり、チームが負けてしまうことも多いだろう。その負けを子どもたち自身が辛抱できなくなる。指導者が「ドンドン挑戦してこい!」と言っても、勝ちに拘る子どもの気持ちが許さない。けれども、ユース年代以降の競技志向が強まるサッカーに適応するためには、この時期の鍛錬は欠かせない。ここで焦らないことが大切なのだ。

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