「個」の育成を貫くセゾンFC、エスポルチ藤沢ジュニアユースが中学年代で求める選手像とは?

2013年08月28日

コラム

8月も終わりに近づき、小学6年生にとってはジュニア年代も残すところ半年になりました。あるU-12の大会を取材したときに「これからはジュニアユースに向けた準備も始まります」と指導者も口にしていましたが、これからの時期、保護者にとって我が子の進路は気がかりになるところです。中学生年代でサッカーを続けるには、Jリーグ下部組織、クラブチーム、そして中学校の部活動という選択肢がありますが、今回は勝利至上主義ではなく、特に「個」の育成を徹底する2つのクラブに、チームが求める選手像をお聞きしました。

文●山本浩之 写真●編集部 取材協力●MAGOS FC

 


 

自分の得意な武器を持ち、磨き続けること!

8月24日(土)と25日(日)の2日間に渡り、東京都内で「セゾンフェスタ」(主催:MAGOS FC)が行われ、24日(土)は福生市営競技場(東京都福生市)、25日(日)は明治大学付属中野八王子中学校・高等学校(東京都八王子市)を会場に開催された。

参加クラブは、乾貴士選手(アイントラハト・フランクフルト所属)をはじめ、10名以上ものプロ選手を輩出した実績をもつ関西屈指の名門といわれるセゾンフットボールクラブ(滋賀県大津市)をはじめ、エスポルチ藤沢(神奈川県藤沢市)、アーゼット’86東京青梅(東京都青梅市)、FC GONA(東京都福生市)、横河武蔵野FC(東京都武蔵野市)、TACサルヴァトーレ(東京都立川市)、そして主催のMAGOS FC(東京都武蔵村山市)の計6チーム。
なかでも今回は、個の育成に定評のある、東京都以外の2クラブに注目した。

この日のエキシビジョンマッチでも、小気味良いショートパスとドリブルを駆使していたセゾンフットボールクラブ。「最終的にサッカーはパスゲームなんです。そのパスを生かすためにドリブルがある。ドリブルで自陣のゴール前から相手のゴール前まで突破できる選手なんていないし、パスばかりでも崩すことはできない。だから、いろいろなバリエーションを用意して攻略するわけです」と土川晶夫コーチは言う。そして、クラブが求める選手像については「ケンカに強い選手ですね!」と笑う。少しばかり物騒な例えだが、ケンカとはサッカーの試合を意味する。

大柄なケンカの相手(ディフェンダー)が目の前に立ち塞がっていたとして、真正面から突っ込んでも、とても歯が立ちそうにない。だからといって「勝ち目がないから、他の相手と取り替えてくれ!」なども無理な話。それでは、どうしたら勝つことができるのかというと、誰にも負けない自分だけの武器を備えておけばいいというわけだ。

「ケンカであれば、最強の武器はピストルや剣なんかだけれど、さすがにサッカーでは使えない(笑)。その代わりに、サッカーではドリブルやパスといったテクニック、そして足の速さも武器になる。サッカーでは100メートル走の好タイムは必要ない。5メートル、10メートルの短距離をダッシュできれば、十分足の速い選手といえる。そういうのを磨いてあげたい」と土川コーチは、この年代では、次のステップで通用する選手になるために、自分の武器を見つけ、錆びつかせないように磨き続けることが大切だと言う。

一方、エスポルチ藤沢も「重視しているのは、ドリブルやリフティングなど、ボールをコントロールする技術。だからといって、相手が待ち構えているところにドリブルで突っ込んでいっても奪われてしまう。ドリブルに見せかけておいてパスをするとか、そういった賢さも必要だ」と広山晴士代表。両クラブとも、「ドリブルという武器を装備することによって、パスの威力がより強力になる」との考え方は一致している。

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