バルサ久保建英君が歩む道 知っておくとタメになる海外サッカー留学のおきて

2013年08月28日

コラム

決して甘くはない海外での生活環境

――過去に海外でプレーした小学生の中で失敗したケースはありますか?
まず、何を持って失敗と言うかによります。プロになることだけを成功と考えた場合、小、中学生の年齢で海外に行ってプ
ロになった選手はいません。つまり、実例がないんです。ただ、僕から見て「なぜ、今ここに自分がいるのか」ということを考えられない選手、意識が高くない選手は難しいと思っています。

状況は日本と同じです。サッカーをして、監督がいて、毎週試合がある。だけど、言葉が異なり、やっているサッカーが違うから、一段難しくなるわけです。

日本でトップになれる選手であれば、世界でもトップになれる可能性もあります。しかし、世界のトップと日本のトップを天秤にかけたら、やはり世界のトップを目指してほしい。もちろん日本の育成レベルも格段に上がっていますが、現時点ではやはりまだ欧州には追いつけていません。だからこそ僕は、可能性がある子どもが海外へ行くことに賛成しています。

ただし、そんなことは関係なく海外でがんばりたいという場合は、語学や文化を学ぶとか友だちをつくるなど、いわゆる経験値を高める生活を意識することが重要だと思います。

もちろんプロは目指しますが、なれない可能性もあるということを、常に頭に入れておく必要があるでしょう。

挫折がその人を強くします。海外に行けば、日本にいるより挫折する可能性が高いから、より成長しやすくなる。きっかけは毎週のようにやってきます。例えば、試合があるからといって、住所と集合時間だけを教えられる。ところが、その場所に行っても、ロッカールームがどこにあるのかわからない。言葉が理解できなければ、誰に聞けばいいのかもわかりません。日本では得られない経験が海外にはあって、そういう経験を得るということなら高校生になってからでも遅くはないと思います。

――小学生が海外でプレーしたとき、最初にぶち当たる壁は何ですか?

言葉と孤独です。最初は他のチームメイトも話しかけてくれますが、言葉がわからなければ簡単に友達もできません。そうなると、やはり孤独に感じます。それでもチームの中で評価されてコンスタントに試合で活躍していば、「この国でプレーしているんだ」ということが自信につながってきます。しかし、例えばチームでの扱いが下の方になってくると、自分が何のために来ているのかわからなくなってくる可能性があるんです。

仮に2年限定というふうに終わりが見えていればがんばれますが、いつまでいられるのかわからないとなると、子どもにとってはきついかもしれないですね。勉強もままならないようであれば、帰国してから日本の勉強についていけないこともあるでしょう。

現地では通訳などのサポートはもちろんありません。小学生であれば現地校に通うケースも多いですが、教育のことを考えるのであれば、僕は日本人学校がベターだと思います。

――小学生が海外でプレーする場合、年間でどれくらいの費用がかかりますか?

まず、小学生の場合はお父さんかお母さんが一緒に行くことになるので、家を借りなければいけません。ホームステイをする方法もありますが、その場合は保護者代わりになる人が現地にいなければなりません。

さらに日本人学校に行けば学費もかかりますから、家族で行くことを考えると、少なくとも月15~20万円くらいの生活費は必要だと思います。

もちろんどういう生活をするかによっておおきく変わりますが、年間で約200~250万円はかかると想定をしておいたほうがいいでしょう。

(プロフィール)
浜田満
株式会社Amazing Sports Lab Japan代表取締役。関西外大卒。欧州ビッグクラブの日本でのブランディング業務、サッカーキャンプ、バルサスクール運営業務を行う。久保建英君のFCバルセロナでの挑戦もサポート。著書に『サッカービジネスほど素敵な仕事はない』(出版芸術社)がある。http://ameblo.jp/aslj

<関連リンク>
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