プレイヤーズファーストを実践! 『選手が主役』のサッカー大会で見えたものとは?

2013年12月04日

コラム

11月30日(土)、12月1日(日)の2日間に渡り、“選手が主役”のボトムアップ大会が行われました。大会取材を通じて、顕著になった子どもたちの変化やコーチや保護者のご意見などに目を向けてみました。

文・写真●山本浩之

 


大人のコーチングはナシ。選手の自主性に任せる

11月30日(土)、12月1日(日)の2日間に渡り、サンセットブリーズ保田・勝山サッカーフィールド(千葉県鋸南町)にて、「第2回 football connection ~任せればできる」が開催された。サブタイトルに「任せればできる」とあるように、この大会には次のような趣旨がある。

・試合のコーディネートはすべて選手たちに任せ、大人は見守る。
・試合中やハーフタイムも、すべて選手たちを信頼し、委ねて任せる。
・選手が主役、大人が子どもより必死にならない。

つまり、指導者や保護者などの大人は子どもたちの様子を見守るだけ、コーチングはいらない。プレーヤーである子どもたち自身が自ら考え話し合って、判断し、行動することを実践する少年サッカーの大会なのだ。

大会初日には、サッカーコンサルタントの幸野健一氏、サッカージャーナリストの小澤一郎氏、元Jリーガーの小松原学氏も来場。指導者、保護者に向けて「サッカーを通して、激動の時代を生き抜く自立した子どもを育てる育成論」をテーマにトークイベントを行った。

幸野氏は「子どもが社会にでたときに力強く生き抜いていくために自立心を芽生えさせることが必要だと感じていました。私の息子(J2長崎所属・幸野志有人選手)は12歳でJFAアカデミー福島に進学し、親元を離れていきましたが、それまでに子どもを自立させるためのサポートをしてきました。たとえば、毎朝15分勉強する習慣をつけさせたり、サッカーのことだけでなく、それ以外のことにもいろいろと触れる機会をつくってあげたりしました。やはり何事もメリハリが大事です。オンとオフを使い分けながら、子どもの成長を促していくことが大切ではないでしょうか」と自身の子育て体験をもとにアドバイスをおくった。

小松原氏は、U-16、U-18、U-19と各年代の日本代表に選ばれ、1998年には当時のJリーグ最年少出場記録を樹立する逸材として、将来を嘱望されてきた。

「自分の人生を振り返ると、いつもサッカーのことばかり考えていました。もちろんサッカーを好きになることは大切なことですが、それだけではなく、子どもたちが自立していくボトムアップのような環境づくりも必要だと感じます」

自身の少年時代から現役引退後のセカンドキャリアでの体験談なども含めて、サッカー選手を夢見る子どもを育てている保護者にとっては、興味深い話だったのではないだろうか。

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