【バーモントカップ第23回全日本少年フットサル大会】全国決勝大会 決勝レポート

2014年01月07日

バーモントカップ第23回全日本少年フットサル大会

埼玉県代表・江南南サッカー少年団が10年ぶり2度目の優勝を飾る!!

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1月6日(月)、東京・駒沢オリンピック公園総合運動場体育館にて「バーモントカップ 第23回全日本少年フットサル大会 全国決勝大会」の決勝が行われ、埼玉県代表・江南南サッカー少年団(以下、江南南)が茨城県代表・鹿島アントラーズジュニア(以下、鹿島)を4-1で破り、10年ぶりとなる2度目の優勝を果たした。ちょうど1回目の優勝をしたとき(第13回大会)は、現・浦和レッズの原口元気選手(浦和レッズ)を擁したときのこと。決勝戦の相手、兵庫FCに14‐2で圧勝し、初の栄冠をつかんだ。あれから10年、江南南が底力を見せ、ジュニア年代のフットサル日本一に輝いた。

午後2時にキックオフの笛は吹かれた。ファーストシュートは江南南だった。7番・松原和希くんのシュートは、惜しくもゴールの枠を外れたが、松原くんをはじめ、江南南の選手たちには序盤から硬さは見られなかった。

普通であれば、立ち上がりは緊張してもおかしくないだろう。なにしろジュニア年代のフットサル日本一が決まる試合だ。しかも、相手の鹿島は前年度のチャンピオンチームであり、大半の選手が前回大会も登録されている。くわえて、今年度の全日本少年サッカー大会の優勝メンバーだ。

それでも、江南南の選手たちには確固たる自信があった。直近の対戦では鹿島に1度も負けていないからだ。そして、もうひとつ「大きな大会では、いつも準優勝でした。あと1勝ができず、悔しい思いばかりしていました。だから、この大会では優勝したかったんです」とキャプテンでもある松原くんはいう。その思いこそが、江南南の全選手に高い集中力を授けていたのではないだろうか。

個人技のある鹿島に対して、絶え間なく激しいプレッシャーを掛け続けると、前半2分のこと。コーナーキックからのボールを受けた16番・津久井匠海くんの放ったグラウンダーのシュートが鹿島のゴールに吸い込まれていった。

江南南は先制に成功すると、続く3分には10番・高田颯也くんがフリーキックのチャンスをものにする。さらに5分にはシュートからのこぼれ球に反応した7番・松原くんが押し込み、8分には9番・亀井涼くんが鹿島の隙をついてボールを奪取すると、ゴールキーパーとの1対1を難なく決めて4-0とリードを広げた。

鹿島も4点目を奪われた直後には3番・生井澤呼範くんがキックインから受けたボールをゴールに蹴り込み1点を返したが、結局、鹿島が江南南のゴールネットを揺らしたのは、この1度きりだった。後半になっても、江南南の運動量と集中力は途切れることなく、1次ラウンドの3試合で全48チーム中最多の27得点を叩き出した鹿島の攻撃力を沈黙させた。

スコアは4-1のまま。やがて、江南南の応援団から優勝へのカウントダウンが始まった。「ゼロ!!」の声とともに電光掲示板の表示が「0:00」となり、その瞬間、第23回バーモントカップに参加した3千を超えるチームの頂点に江南南が輝いた。

「運動量もあったと思いますが、攻撃と守備の切り替えが素早くできていました。また、相手の選手を追い込んでおいて、パスが出る瞬間を狙うということも、よくできていました」と江南南・松本監督は決勝を振り返った。

惜しくも準優勝となった鹿島だが、「江南南のほうが、勢いがあったし、一枚上でした。まだまだ全然力が足りないなというのが率直な感想です。この大会に参加したチームのなかには、自分たちより上手いチームがたくさんあったので、準優勝という結果に満足せず、しっかりと気持ちを切り替えていきたいです」と3番・生井澤くんは悔しさを封印し、次のステップでの飛躍を誓った。

バーモントカップを終えると、両チームともに、フットサルの活動予定はないそうだ。6年生はジュニア年代の卒業の準備に入る。そういえば、この日の観客席には、昨年度の優勝メンバーの姿があった。その中のひとり小沼樹輝くんは、現在、鹿島アントラーズのジュニアユースで活躍する。「小学生のときにフットサルに取り組んだことで、1対1のときのボールの置き場所や、ボールを受けたときのファーストタッチを意識するようになりました」と、バーモントカップに挑戦していた一年前の日々を思い出しながら語ってくれた。

果たして一年後、今大会に出場した6年生たちは、どんな選手へと成長し、もし会うことが叶ったら、どんな思い出話を聞かせてくれるのだろうか。

いよいよ来年度の「バーモントカップ 第24回全日本少年フットサル大会」は、全日本少年サッカー大会の冬季開催に伴って、現行の1月に開催される最後の大会を迎える。

■優勝 江南南サッカー少年団・松本暢佑監督のコメント
埼玉県の少年サッカーは年々レベルが高まっています。この子たちは、そうした高いレベルの環境で6年間取り組めたことで、今回のバーモントカップを勝ち取ることができたのかもしれません。埼玉の子どもたちが切磋琢磨してきた結果として、うちのチームが勝てたのかなという思いです。この大会では、いろいろな子どもたちのプレーを見る機会がありましたが、全体的にレベルは上がっていても“スーパーな子”がいないですね。上手い子が集まっているから “スーパーな子”がいても目立たなかったのかもしれないけれど、プロのサッカー選手を目指しているのであれば、このなかでも目立てるようになって欲しい。サッカーが好きな子はたくさんいると思いますが、『サッカーが大好きで、取り上げられたら何も残らない』というくらいの子は少ないでしょ。そういう子がでてきて欲しいですね。

■準優勝 鹿島アントラーズジュニア・小谷野稔弘監督のコメント
(お客さんのいる)大きな大会独特の雰囲気や緊張感のなかでプレーをできるのは、子どもたちにとって貴重な体験になりますので、決勝まで進めたのは価値があったと思います。フィニッシュの部分については、強いシュートを打つことや、ゴールキーパーの手が届くところを避けようということで練習に取り組んできましたが、決勝では力が弱かったり、狙うところが悪かったりして、思うようにゴールを奪うことができませんでした。もう少し工夫をしていかないといけないですね。また1対1のところでは、江南南の守備が強くプレッシャーもありましたけれど、パスを出すのか、ドリブルを仕掛けるのかなど、判断の部分も足りなかったようです。子どもたちは、夏に全日本少年サッカー大会で優勝して満足していたところもあったようなので、この大会で、江南南や他のチームとの差を感じることで、気持ちも引き締まったのではないでしょうか。この経験はジュニアユースに行ったときの糧にしてもらいたいです。

(文●山本浩之 写真●佐藤博之)

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