子どもの”強い心”を育むために親が「できること」「してはいけないこと」

2017年12月18日

メンタル/教育

子どもの”メンタル”を強くするにために親ができることは何なのでしょうか。「なんでやる気がないんだ!」「なんで集中力がないんだ!」と”ネガティブ”な声掛けをしていても「強い心」を育むことはできません。たくさんのアスリートを指導してきた高妻容一先生の話から子どものやる気、強い心を育むために親ができること、してはいけないことを紹介します。

文●戸塚美奈 イラスト●駒見龍也 写真●ジュニサカ編集部

※『ジュニアサッカーを応援しよう!Vol.30秋号』より転載

【前編】ネガティブなコミュニケーションが子どもをダメにする。”やる気”を引き出す「親子の会話」とは 

※この記事は2014年1月9日に掲載した記事を再編集したものです。


「落ち着け!」ではなく、どうしたら落ち着くのかを教える

「なんでやる気がないんだ!」「なんで集中力がないんだ!」少年スポーツの現場では、メンタルは全部本人のせいになっています。でも、我々から見れば、それは指導者である監督の責任。大人たちは、「集中しろー!」ともよく言いますね。子どもたちは、「ハイ!」と言います。

 でも、何が集中かは、子どもたちはわかっていないでしょう。大人は自分の経験から「集中」はなんとなくイメージできますが、「集中力とは何か」「どうしたら集中力が高まるのか」「集中力が高まったらどういういいことがあるのか」を説明することができない。

 同じような言葉に、「根性」がありますね。「根性って何ですか?」と十人の大人に尋ねたら、十人十色の答えが返ってくるはずです。ある人は、「耐えることだ」と言い、ある人は「熱く心を燃やすことだ」と言う。つまり、根性の定義は定まっていない。

 つまり、日本のメンタルが遅れているのはそこなのです。監督も親御さんも同じ言葉を使っていて、ニュアンスではわかったつもりになっている。しかし、それは自分たちの経験上の解釈であって、子どもたちには全く伝わらない。

 そこで、我々が必要になる。「落ち着け!」と言い放つのではなく、どうしたら落ち着くのかを教える。それが、メンタルトレーニングなのです。

 そしてさらに、ここが重要なところですが、それを頭で覚えただけではダメ。覚えたことを本人が毎日練習し、試合で試す、日々実践していく。スキルとして身につける過程が必要になるんですよ。

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