ジュニア年代では、数的優位のゲームを取り入れよう【後編】

2014年01月23日

コラム

ジュニア年代から戦術の一環として「ポジショニング」や「ポジション」をヨーロッパでは当たり前に教えています。こういったサッカーに必要な要素を遊びながら、楽しみながら自然と身につけていくことを、前編に続き、池上正コーチに伺いました。

構成・文●島沢優子 写真●編集部

※『ジュニアサッカーを応援しよう!Vol.22秋号』P54-59より転載

(前編はこちらから)


さまざまなパターンのゲームをやらせる

 オシムさんがやっていた面白いトレーニングがあります(Tr.1参照)。攻撃方向が決まっていないサッカーです。GKが3人。それぞれのゴール前と、センターサークルにひとりを配置します。フィールドは5対5。どちらのゴールにシュートを打ちにいってもOKです。

140123図1

 仮に○(白)チームの選手がボールをもちました。シュートに行くための攻撃権を得るには、まずセンターサークルのGKにパスしないといけません。中央のGKは白(白)からもらいましたから、当然○(白)の選手に渡します。そして、ボールをもらった○(白)の選手は、どちらのゴールに行ってもいい。その選手が選択したゴールへ向かって味方は一斉に動き出す。要するにバランスをとってポジショニングをするわけです。以上がこの練習のルールです。

 実はこれはGKのトレーニング。センターサークルのGKは、誰が一番いいポジションにいるかを360度見渡して瞬時に判断しなければなりません。予測する、感じるという空間認知力を養う側面もあります。一方、フィールドの選手へのトレーニング効果は、予測する能力を養うということです。

 どこが一番空いているか、どこに動けば(ポジションすれば)すぐに攻撃ができるかを考える。ところが、全員が攻撃だけを考えていたときに相手にボールをとられたら、一気に逆襲にあってしまいます。これは体力的にもハードで、頭も使います。要するに、一手、二手先を想像しなくてはなりません。

 賢い子たちはこんなことをします。例えば、○(白)が全員攻撃しようと動きます。当然●(黒)チームは守ろうという意識が出てきます。その瞬間Uターンして、反対側のゴールへ向かった味方へパスをする。完全にフリーでシュートを打てたりします。結果的に、いいポジショニングがとれる選手は、どれだけ情報量が多いか、その処理能力が高いか。そしてなおかつ、どれだけ広く見渡せていて、どれだけ先が読めるかということなのです。

140123図2

 他にも、ゴールを4つ設ける(Tr.2)、背中あわせにゴールが置くなど、さまざまなパターンのゲームをやらせましょう。そうすると、子どもは空いているところを見つけて、行こうとします。要するに、ポジショニングは自分で気づかないと始まりません。自分で状況を見て、考えなくてはならないのです。

コラム後編画像

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