ジュニア年代ドリブル指導論(JSC CHIBA編)―ドリブラー育成のために、ドリブルを教えているわけではない―【前編】

2014年02月19日

コラム

千葉県千葉市を中心に活動するJSC CHIBAは、県内有数の強豪クラブチーム。かつて羽生直剛選手(FC東京)や村井慎二選手(元大分)らを育てた川島和彦監督が代表を務めるこのチーム最大の特色は、ドリブル技術を徹底的に鍛えること。練習時間のほとんどをドリブルや1対1、2対1に費やすほどだ。しかし監督自身は「ただドリブラーを育てたいがためにドリブルを教えているわけではない」と話す。ドリブル指導に対する思いを聞いてみた。

文●江藤高志 写真●編集部

※『ジュニアサッカーを応援しよう!Vol.23秋号』P048-052より転載


『蹴る』技術よりも『運ぶ』技術の方が簡単

――そもそも論として、なぜドリブルに特化した指導がメインなのでしょうか?

 確かにポゼッション力を上げて、その先に個人技を教えるという考えもあります。しかし私は、自由自在にボールを扱えるようになったあとの方が、パスのアイデアや出し方の技量は高くなると思っています。

 また、小さい子どもにとって、ボールを蹴るよりも足で運ぶ方が簡単です。インサイドキックは実は難しい技術。これらが少年サッカーの導入でドリブルからスタートする理由です。

 次に導入期でない、すでにサッカー経験がある子どもたちにドリブルを教える理由はいい攻撃をするため。ドリブルで二人、三人をはがしていく技術や、縦にものすごいスピードで一気に突破できる力があれば、相手のDFは必ず怖がり、結果的に守備の意識がその選手に集まる。技術の高い選手ひとりいるだけで、ディフェンスの対応に偏りをもたらします。

――つまりチームとして攻撃を組み立てる中に、ドリブルがあると。

 そうですね。さらに言えばドリブルは守備時にも有効です。例えば、相手に囲まれたような場合、通常うしろに余っている味方に一度落としてから反対サイドに展開、というのがセオリーですが、簡単ではありません。相手が束で奪いにきたらボールを失うことも多い。しかし、ドリブル技術があればどうでしょうか?

 テクニックがあればまずキープして、そこから局面を打開することもできるでしょう。

 どちらがいい、悪いはありませんが、パスはロジック(理論)だと思っています。パスが好きな指導者はそこを追求すればいい。一方で私は、そのロジックを崩す個人が出てきたときに痛快さを感じる。計算どおりに行かないところに面白みがある。パスサッカーは相手が弱ければ自由自在にできますが、計算を超えた際に何もできなくなってしまう傾向が強いと感じています。

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