子どもたちが認められる環境づくり。「プレーヤーズ・ファースト」の本質を知る
2014年08月27日
コラム子どもの成長曲線はスパイラル式
2013年春から、この「プレーヤーズ・ファースト」を実践すべく、京都サンガで小学2年生から6年生まで全員一緒に練習する「プレミアスクール」を設けました。定員は30人。土曜日の午前中に1時間半の練習を行い、最後の30分間はコミュニケーション能力を養うメニューです。毎月一度、テントを張る野外キャンプ(1泊)と保護者対象のレクチャーもプログラムに含まれています。
1年から6年までの縦割りというと、「そんなことできるの?」と他の指導者に驚かれますが、まったく問題ありません。なぜなら、小学生でも高校生でもトレーニングの基本は同じだからです。
多くの方は子どもが上達していく過程を一段ずつ上がる「階段」のようにイメージしているのですが、実は、サッカー技能はソフトクリームのコーンのような「逆円錐形状」。成長曲線は下からくるくるとスパイラルしながら広がって向上していきます。成長の領域を広げながら、少しずつレベルアップするわけです。
試合というメニューで得る技能向上のスパイラルを説明しましょう。最初は自分でドリブルしかしない。そのうちパスをする子が現われる。すると、そのパスにタイミングを合わせる子が出てきます。技術も戦術も、すべての成長が「試合」というメニューで得るスパイラルのなかにあるわけです。キックやドリブルといった技能もスパイラル曲線で向上します。
一番下の小さな輪っかが低学年なら、広くなったところは高学年。階段状ではないので、全員が同じ練習をしていいのです。うまくできる子もいれば、できない子もいますが、目の前のことにやきもきする必要はありません。必要なのは選手が自分でプレーすることです。この環境で育っていく選手は間違いなく成長します。
プロフィール
池上 正
(いけがみ ただし)
1956 年大阪府生まれ。2012 年2 月より京都サンガF.C.ホームタウンアカデミーダイレクター。著書に11年12 月現在で14 刷と版を重ねるベストセラー『サッカーで子どもをぐんぐん伸ばす11 の魔法』『サッカーで子どもがみるみる変わる7つのビジョン目標』(ともに小学館)。DVDブック『サッカーで子ども力をひきだすオトナのおきて10』(監修=カンゼン)。近著に『叱らず、問いかける??子どもをぐんぐん伸ばす対話力』(廣済堂出版)がある。大阪では子育て支援センターでアドバイザーを務めたこともある。
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