【U-12ジュニアサッカーワールドチャレンジ2014 特別コラム】やはりバルサは世界レベル。その世界を相手に日本のチームが通用したこと、しなかったこと
2014年09月01日
コラム戦術的コンセプトのベースの違い
「我々指導者が選手にできることは、試合で起こりうることの対策を練って試合前の段階でそれを伝えることです。もちろん、選手も試合中は自分たちで判断をして問題を解決していかないといけませんが、試合中に選手に対してチーム戦術に関するコーチングをたくさんしてもなかなか伝わりません。できるだけ試合前に共通認識を浸透させた上で、チームとして試合に臨めるかが大事ではないかと考えています」
このサンス監督の言葉だけを見れば、「試合前の準備に尽力し、試合中は選手の判断を促すだけでよい」と考えてしまいがちだが、これはあくまで選手たちが7歳から12歳までの間に戦術的なプレーコンセプトを教え込まれ、ベースがあることを前提にしている。そのベースがある中でさらに、コンセプトから外れる場合は随所に試合中に修正をしていた。
つまり、試合の中で選手個々が判断できなければ、そこはやはり教えなければいけないし、その一方ですべて教えると選手は混乱してしまうため、少しずつ基準を明確にして修正し、教え込む必要性があるということだ。7(8)人制から11人制になることでピッチのサイズが大きくなり、プレーエリアが拡大してより強いパスが必要であれば教えなければいけないし、自陣で相手を前にしてドリブルで抜こうとするのであれば、そこを修正しなければならないのである。
今大会、日本のチームは様々な対策を立ててバルセロナを苦しめた。日本人選手の個々の能力の高さ、特にボールを持った時の強さは十分なレベルにあることを証明した。その一方でバルセロナは起こった問題を試合の中で修正し、大会の中で成長していった。
しかも相手はまだチームをスタートして間もないプレシーズンの段階であり、全日本少年サッカー大会など大きな大会を終えた日本のチーム相手に優勝したのである。バルセロナ、日本のチームのそれぞれの段階を加味した上で、今大会で通用したこと、通用しなかったことをもう一度見直し、この大会の意義をしっかりと捉えていきたい。
<関連リンク>
・『サッカーの新しい教科書 戦術とは問題を解決する行為である』
・【U-12ジュニアサッカーワールドチャレンジ2013 特別コラム】世界との戦いで見えた「差」と日本の育成年代に求められる課題とは?
・U-12ジュニアサッカーワールドチャレンジ2014 大会特設ページ
カテゴリ別新着記事
ニュース
フットボール最新ニュース
-
近江高校の躍進を支えた7つの班。「こんなに細かく仕事がある」部員も驚くその内容2024.04.24
-
「三笘薫ガンバレ」状態。なぜサッカー日本代表は個を活かせないのか?2024.04.24
-
【遠藤航・分析コラム】リバプールは何が変わったか。遠藤を輝かせる得意の形2024.04.24
-
リバプールがプレミア制覇に一歩リード?「タイトル争いは間違いなく波乱万丈」2024.04.24
-
前回王者マンC、絶対的司令塔の今季CL初出場・初ゴールで勝利。レアルも先勝2024.04.24
大会情報
-
【卒業記念サッカー大会 第18回MUFGカップ 大阪大会】大会結果2025.03.07
-
【卒業記念サッカー大会第18回MUFGカップ 東京大会】フォトギャラリー2025.03.03
-
【卒業記念サッカー大会第18回MUFGカップ 東京大会】F.Cボノスが逆転勝利で優勝を果たす!<決勝レポート>2025.03.01
-
【卒業記念サッカー大会 第18回MUFGカップ 愛知大会】大会結果2025.02.25
お知らせ
人気記事ランキング
- 「2025ナショナルトレセン女子U-14前期」参加メンバー発表!
- U-16日本代表メンバー発表!【U-16インターナショナルドリームカップ2025 JAPAN】
- U-20日本代表メンバー発表。サウサンプトン・高岡伶颯や石井久継らが選出【第51回Maurice Revello Tournament】
- U-19女子日本代表メンバー発表!【SUD Ladies Cup 2025】
- U-17日本代表、スペイン遠征に参加するメンバーを発表!
- 逆転勝利を呼び込んだ頭脳プレー! “野沢菜旋風”なるか? 長野県代表・ノザワナFCが堂々の2連勝スタート!
- 「2025ナショナルトレセンU-14前期」参加メンバー発表!
- 話を聞けない子どもがいたら?
- 【バーモントカップ第22回全日本少年フットサル大会】岡山県大会結果
- 学校では教えてくれないサッカー栄養学 世界で闘うための選手の食事【前編】