戦術はアップデートされていくもの。攻守両天秤のハンドボールから学ぶ守備の哲学

2015年06月23日

コラム

ハンドボールもサッカーも攻守両天秤のスポーツ

──では、ハンドボールの場合、守備に比重を置くチームが多いということですか?

 そうですね。基本的にハンドボールの場合、守備時は全員が自陣に戻り陣形を固めますからそういった見解は間違いではないと思います。

 よくヨーロッパのサッカーにおいても守備的なチームを「ハンドボールチームのようだった」と揶揄する場合もありますしね。モウリーニョ(チェルシー監督)の“ゴール前にバスを停める”なんていうのはまさにハンドボールの守備のようですよね。

 ただ、そういったスタイルが本当に守備的で、見ていてつまらないのか、と言ったらそうではないと思います。

 サッカー界では、全選手のポジショニングが自陣にある状態を“守備的”と指している可能性があると僕は考えています。

 ハンドボールでは、たとえ自陣に全員がポジショニングをしていたとしても、そこで全選手が豊富な運動量と卓越した予測をもとに前へ前へとプレッシャーをかけていくハードなディフェンスをしていたら、それは運動量の観点から積極的な守備だと解釈されます。

 ポジショニングが守備的か攻撃的かという軸だけでなく、選手の守備範囲がどれくらいか、運動量はどれくらいかという観点で評価されるのです。

 一方、サッカー界では1974年にオランダ代表が披露したトータルフットボールも布陣はあってないようなものだったと聞きます。その概念に似ていて、布陣として守備的でもただゴール前に人数をかけて守るだけではないのがハンドボールの守備です。

 ハンドボールもサッカーも攻守両天秤のスポーツですよね。両天秤ということは、守備時に相手からボールを奪わないと攻撃は始まらない。

 だから、ハンドボールも自陣に引いているとはいえ「ボールを奪うための戦術と哲学」が存在します。

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