観客を魅了する美しいパスサッカーが生まれた理由とは? 哲学で読み解くサッカー思想史
2015年12月22日
サッカーエンタメ最前線左派の賢人メノッティの言葉
では、右翼の反対である左翼のサッカーとは、メノッティにとってどんなものなのだろう。
「左翼思想は人民の側に寄り添うものであり、サッカーとともにある。私も人々を幸せにできる左翼のサッカーとともにある。豊満かつ芸術的で、崇拝されるものこそが左翼のサッカーであり、私はそれに寄り添い続けてきた」
豊満かつ芸術的。なんとも凄い表現だが、アルゼンチン代表を率いていたころからメノッティが「大衆のためのサッカー」を掲げていたのは事実だ。アルゼンチンが本来持っているテクニックを前面に押し出し、大衆が望んでいるスペクタクルなサッカーを見せようとした。体力より技術、規律より自由、自己犠牲より自己表現のサッカーだ。
皮肉にもメノッティ監督が左翼のサッカーを掲げていた時期のアルゼンチンは軍事独裁政権だった。メノッティは政治思想とサッカーを関連させているけれども、少なくとも政府の政治思想とサッカーの関連性は「ない」と言ってもいいのではないかと思っている。
当時から左派を明言しながら、軍事政権下で開催されたワールドカップで左翼のサッカーを展開したメノッティはもちろん、逆にソビエト連邦など旧社会主義国のサッカーの特徴はむしろ右翼的と言っていいぐらいである。例えば、ディナモ・キエフなどを率いたバレリ・ロバノフスキー監督はプレーを数値化し、数値をもとにチーム編成を行った最初の監督といわれている。勝利のためにサッカーを計量化し、選手には鉄の規律を説いた。
軍人が主体となっていたルーマニア、ハンガリー、北朝鮮などが、例外なく軍隊的なサッカーだったかといえばそうではないのだが、政治的には左でもサッカー的には右寄りというケースはむしろ普通だった。
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