「サッカー本大賞2016」受賞作が決定!

2016年03月10日

ジュニアサッカーニュース

『ラストピース』は再生プロセスを描き切った力作

選考委員による各優秀作品の選評は以下になります。

<選考委員による選評>
■『ラストピース J2降格から三冠達成を果たしたガンバ大阪の軌跡』
著:下薗昌記 KADOKAWA刊

【選考委員評(佐山一郎)】
 一つのクラブの危機的状況とそこからの再生プロセスを描き切った力作。情報量の多い濃厚な文章がガンバ・サポーター以外にも好評なのもむべなるかな。対象にしなだれかかることなく、とことん正統派の筆を走らせたこの受賞作はプロ・フットボール・クラブなるものを考える上での一つの大きな指標となるはずだ。

【選考委員評(大武ユキ)】
 一見、ガンバ大阪サポーター向けの本のように思えるが、J1、J2を経験しているクラブなのでガンバサポのみならずすべてのサッカーファンが楽しめる内容になっている。クラブの暗部にも切り込んでおり、クラブ関係者や別チームのサポーターも読んで、後世に生かしてほしいと思える内容だった。

■『サッカー日本代表が「世界一」になるための5つの条件 ワールドカップ勝利の極意』
著:西部謙司 河出書房新社 刊
【選考委員評(佐山一郎)】
 第一線での旺盛な執筆歴を有する著者による玄人受けの極地のような作品。98年W杯フランス大会以降アジア枠常連国となった日本代表チームの5大会すべてを総括し、処方箋を出す作業に成功している。岡田武史からザッケローニへと続いたここ5代の日本代表チームの根にひそむ抜き差しならぬ因果必然を見つけ出していく筆致が明晰で小気味よい。向日性の書名が巣食い始めた負け犬根性をどこかに吹き飛ばしてくれそうだ。

■『ルイス・スアレス自伝 理由』
著:ルイス・スアレス 訳:山中忍 ソル・メディア 刊
【選考委員評(佐山一郎)】
 手に持つこと自体が愉しい感覚のサッカー本は案外少ない。「この帯コピー、凄くない?」「ほんとだ、“噛み付きは/無害に近い行為なんだ”か~」とつい浮き浮きしてしまう。近年珍しいカラー口絵写真もふんだんにあり、訳者の山中忍のあとがきも軽妙洒脱。本づくりに蓄積と知的洗練が感じられる。噛み付きの記憶よりもゴールの記憶がふさわしい超一流選手スアレスの選手心理を知ることは同時代のサッカーの輪郭と核心を知ることでもある。

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