4種年代にリーグ戦文化が定着するために重要なこととは?
2016年03月16日
コラム年間を通じたリーグ戦のメリット
このように創設1年で多くのメリットが見えてきたプレミアリーグだが、もちろん改善点もある。前の幸野氏の言葉にもあるように『グランドの確保』問題は日本にリーグ戦が定着するうえで長く付き纏う問題の一つだろう。ジュニア年代からリーグ戦文化が定着しているスペインなどでは、チームが一つはフルコートで使用できるグランドを持っているのがスタンダードである。幸野氏自身が全ての試合で直接運営に携わった千葉県のプレミアリーグも、10チーム中3チームが「フルコートの人工芝ピッチをもっている恵まれた環境」であったが、やはりそれでも日本全体を見渡せばまだまだグランドは足りないだろう。
また、こういったグランド確保の問題に加え幸野氏は『優先順位』をあげた。「参加したチームにも、これまでやってきた大会だとかスケジュールのルーティンというものがありますから、その中に新たにプレミアリーグという大会を入れ込めばチームでの温度差であったり優先順位の差が出てくるということは当然ありました」。幸野氏が言う優先順位とは、それぞれのチームが、参加しているどの大会を優先させるのかということ。プレミアリーグに参加しているチームがリーグ戦に対する優先順位が低くなれば、優先順位の高い大会と日程が重なったとき、その日にリーグ戦の試合を消化できなくなってしまうということが実際に起こる。
『グランドの確保』や『優先順位』といった問題は、プレミアリーグだけでなく4種年代にリーグ戦文化が定着するうえでは非常に重要な問題であるだろう。この2つの問題を解決する方法として幸野氏は「リーグの価値を高めていくこと」が重要だと言う。その過程で「多くのチームにプレミアリーグを1番に選択してもらえるように、歴史を積み重ねていく必要がある」と語った。
そういった「リーグ戦の価値を高める」うえで、育成的観点では「あくまでオマケ」にすぎないチャンピオンシップで見られたような、子どもたち自身が自然とモチベーションを高めていけるような仕掛けが、日本にリーグ戦文化が定着するために重要になってくるのだろう。
<関連リンク>
・プレミアリーグU-11
・CLIMB FactoryプレミアリーグU-11チャンピオンシップ2016
・4種(小学生年代)で本格化するリーグ戦がもたらすものとは?
・大切なのは “大人たちの意識”。リーグ戦のモデルケースとして理想的なスペインの育成事情
>>ジュニサカ公式facebookはこちら
>>ジュニサカ公式Twitterはこちら
>>ジュニサカオンラインショップはこちら
カテゴリ別新着記事
ニュース
フットボール最新ニュース
-
近江高校の躍進を支えた7つの班。「こんなに細かく仕事がある」部員も驚くその内容2024.04.24
-
「三笘薫ガンバレ」状態。なぜサッカー日本代表は個を活かせないのか?2024.04.24
-
【遠藤航・分析コラム】リバプールは何が変わったか。遠藤を輝かせる得意の形2024.04.24
-
リバプールがプレミア制覇に一歩リード?「タイトル争いは間違いなく波乱万丈」2024.04.24
-
前回王者マンC、絶対的司令塔の今季CL初出場・初ゴールで勝利。レアルも先勝2024.04.24
大会情報
-
【卒業記念サッカー大会 第18回MUFGカップ 大阪大会】大会結果2025.03.07
-
【卒業記念サッカー大会第18回MUFGカップ 東京大会】フォトギャラリー2025.03.03
-
【卒業記念サッカー大会第18回MUFGカップ 東京大会】F.Cボノスが逆転勝利で優勝を果たす!<決勝レポート>2025.03.01
-
【卒業記念サッカー大会 第18回MUFGカップ 愛知大会】大会結果2025.02.25
お知らせ
人気記事ランキング
- 「2025ナショナルトレセン女子U-14前期」参加メンバー発表!
- U-16日本代表メンバー発表!【U-16インターナショナルドリームカップ2025 JAPAN】
- U-20日本代表メンバー発表。サウサンプトン・高岡伶颯や石井久継らが選出【第51回Maurice Revello Tournament】
- U-17日本代表、スペイン遠征に参加するメンバーを発表!
- U-19女子日本代表メンバー発表!【SUD Ladies Cup 2025】
- 逆転勝利を呼び込んだ頭脳プレー! “野沢菜旋風”なるか? 長野県代表・ノザワナFCが堂々の2連勝スタート!
- 「2025ナショナルトレセンU-14前期」参加メンバー発表!
- 話を聞けない子どもがいたら?
- ゴールキーパーの仕事は9割が”コーチング”。元日本代表GKが語る守備陣形の整え方
- お父さんは元“コールリーダー”!軽快な太鼓のリズムが全国の舞台に鳴り響く/バーモントカップ取材レポート【4】