子どもの引っ込み思案は改善できる?! 臨床心理士が語る「やる気の育て方」
2016年04月11日
メンタル/教育子どものさまざまな欲求を満たす
――「やる気」の育て方があるのですか?
もちろんです。「やる気」に到達するためにはある段階(データ1参照)を追って欲求を満たさなければなりません。
【物質的欲求】※人間の欲求の土台
生理的欲求/安全の欲求
↓
【精神的欲求】※個性を育む土台
所属と愛の欲求/承認の欲求/自己実現の欲求
自己実現の欲求=「やる気」を起こさせるには、承認の欲求=「自分を認めてもらう」ことが必要です。その前に、自分を認めてもらいたいと思うには「所属と愛の欲求」「生理的欲求」「安全の欲求」を満たすことが必要不可欠です。それが「自己肯定感」まで一本につながっている。そして、それを高める(データ4参照)にはスキンシップやほめることがとても大切になります。
・ほめるときは能力ではなく、努力をほめる
・しかるときは行動をしかる
・存在そのものが大切であると伝える
・行動を肯定的な言い方で伝える
・その都度、言葉で説明する
・集団生活を送るには社会的・人間的なルールがあることを教える
・スキンシップをはかる など
――日本人が最も苦手なことですよね。
確かに! でもこれって、母親や父親以外の大人でも満たすことができることですよね。私の経験上、両親以外の第三者の大人の影響も大きいと感じています。だからサッカーで例えると、指導者の行動や言葉掛けは重要です。簡単なことで言えば、子どもにクラブの一員、チームの一員だと感じさせることは、監督やコーチの役割だし、そうできるのではないでしょうか。それは優しく話しかけたり、スキンシップをはかることで十分に満たしてあげられます。そんな身近なことの積み重ねなのです。
そこでポイントになるのが「ほめる」ことです。一番大事なことは「子どもが何をほめられたか」という理由を理解することです。「よかったね」では、具体的に何をほめているかがわからないし、「一番になってよくがんばったね」では、結果をほめていて本人をほめたことにはなりません。
結果や才能をほめても、子どものやる気にはつながらないのは心理学の実験(データ5参照)で立証されています。ほめるなら、それに至るまでの過程や努力をほめるべき。そのためには具体的に何を指しているのかを伝えなければなりません。
「試合に勝ってよかったね」とほめてしまえば、負けたときにかける言葉がなくなります。せいぜい「次、がんばろう」ぐらい。でも、「前半の○○のプレーはよかった」と具体的に言葉をかければ、勝ち負けに関係なく子どもはサッカーを楽しめます。
■実験内容
・数百人を対象に知能検査のかなり難しい問題を10問解かせる。
・終了後、ほめ言葉をかける。
・ほめるにあたり、生徒を
①能力をほめるグループと、
②努力をほめるグループの2つに分ける。
・全員に新しい問題を見せ、新しい問題に挑戦するか、同じ問題をもう一度解くのか、どちらかを選ばせる。
■結果
①頭の良さをほめるグループ
・新しい問題を避け、同じ問題を解こうとする。
・難問を解くことにフラストレーションを感じる。
「自分は頭がよいわけではない」
「こんな問題を解いても楽しくない」
②努力をほめるグループ
・9割が新しい問題にチャレンジ。
・難問を出されても、嫌にならない。
「難しい問題の方が面白い」
なかなか解けない問題はもっと頑張る」
⇒努力をほめられた②は、積極的に難しいことに挑戦できるようになる。
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