EUROで躍進したアイスランド。人口33万人の「小さな育成大国」が起こした“奇跡”という名の必然
2016年07月04日
コラム欧州トップクラスの指導者教育
アイスランドサッカー協会の育成部門を束ねる男は、自らもUEFA指導者Aライセンスを保有する。育成部のトップとして活躍する41歳、ビル・グンナルソンは「アイスランドの躍進は、偶然の出来事ではない」と強調する。
実際に、アイスランドが指導者の教育に力を入れていることは有名だ。特に欧州の指導者の間では、アイスランドは「知られざる」育成大国ではなかった。国内で活躍する指導者Siggi Eyjolfssonは昨年「欧州各地から『アイスランドの育成が素晴らしい秘密を探りたい』と数えきれないほどの指導者が連絡してくる」と語っている。フランスの地でアイスランド代表が快挙を成し遂げたことで、彼は更に忙しくなるかもしれない。
アイスランドで指導者になりたかったら、UEFAの指導者ライセンスは必須だ。UEFAライセンスの保持を2002‐2003シーズンに義務化したことによって、全ての指導者が「少なくともUEFAの指導者B級ライセンスを保有する」という「特異な環境」が実現。現在アイスランド国内では70%の指導者がUEFAのB級ライセンス、30%がA級ライセンスを保持している。
それだけに留まらず、体育教師の免許やスポーツ科学の学位を取得している指導者も少なくない。欧州でもトップレベルに優秀な指導者達が、小さな国中に散らばって選手を鍛え上げる。人口の少なさは、ある意味で「1人がトップクラスの指導者と共に過ごす時間」を長いものにしてくれるのだ。
イングランドにおいて、UEFAのB級ライセンス指導者1人に対するプレー人口は11000人。育成改革に成功したドイツですら2800人の選手に1人という割合なのに対して、アイスランドは825人の選手に1人だ。
ドイツやウェールズの様に、彼らは指導者への投資を欠かさない。全ての指導者がフルタイムで給料を得るアイスランドでは、多くの優秀な若者が指導者という道を選択する。クラブ側も一定数のライセンスを保有する指導者を雇用していない場合は、罰金を払わなければならない。
カテゴリ別新着記事
ニュース
-
「2025ナショナルトレセンU-14前期」参加メンバー発表!2025.05.18
-
「女子GKキャンプU-15」参加メンバー発表!2025.05.15
-
【JFA/Jリーグポストユースマッチ 関西学生選抜戦】U-22 Jリーグ選抜メンバー発表!2025.05.12
-
U-15日本代表、クロアチア遠征参加メンバー発表!2025.05.08
フットボール最新ニュース
-
近江高校の躍進を支えた7つの班。「こんなに細かく仕事がある」部員も驚くその内容2024.04.24
-
「三笘薫ガンバレ」状態。なぜサッカー日本代表は個を活かせないのか?2024.04.24
-
【遠藤航・分析コラム】リバプールは何が変わったか。遠藤を輝かせる得意の形2024.04.24
-
リバプールがプレミア制覇に一歩リード?「タイトル争いは間違いなく波乱万丈」2024.04.24
-
前回王者マンC、絶対的司令塔の今季CL初出場・初ゴールで勝利。レアルも先勝2024.04.24
大会情報
-
【卒業記念サッカー大会 第18回MUFGカップ 大阪大会】大会結果2025.03.07
-
【卒業記念サッカー大会第18回MUFGカップ 東京大会】フォトギャラリー2025.03.03
-
【卒業記念サッカー大会第18回MUFGカップ 東京大会】F.Cボノスが逆転勝利で優勝を果たす!<決勝レポート>2025.03.01
-
【卒業記念サッカー大会 第18回MUFGカップ 愛知大会】大会結果2025.02.25
お知らせ
人気記事ランキング
- 「2025ナショナルトレセンU-14前期」参加メンバー発表!
- かつて“怪物”と呼ばれた少年。耳を傾けたい先人の言葉
- 出場機会をどう生み出すか。「3ピリオド制」のメリットとデメリット【5月特集】
- オーバーワークになっていませんか? 大人が知るべきジュニア期の「疲労回復法」
- 「2023ナショナルトレセンU-13(後期)」参加メンバー発表!【西日本】
- 「女子GKキャンプU-15」参加メンバー発表!
- 2019年度「JFAフットボールフューチャープログラム トレセン研修会U-12」参加選手768人を発表!!
- 進路妨害
- 【第37回全日本少年サッカー大会】広島県大会 決勝レポート「両チーム最後まで戦いぬいた試合はPK戦の末、サンフレッチェ広島FCjrが優勝!!」
- なぜ『PK』は決まらないのか。スポーツ心理学者が語る『PK』失敗につながりやすい“回避行動”とは